「メタルギアソリッド5 ファントムペイン」は鏡のようなゲームだ。

DSC00170.jpg

「メタルギア5」は、傭兵になって広大なアフガンを駆け回り、誘拐、略奪を繰り返してしまうゲームだ。
いや、そういうゲームではないんだが、俺がやるとそうなってしまう!

「敵に見つからないよう潜入し、誰も殺さないようにミッションを遂行しましょう」
と命令されたにも関わらず!
命令に従うつもりでコソコソ侵入していた…にも関わらず!
気がつきゃ敵の密集地帯に爆弾投げるわミサイル撃つわ、あまつさえ背後から締め上げ情報を聞き出し誘拐のドンチャン騒ぎ。

DSC00169.jpg

ちなみに誘拐手段は、なんにでも気球みたいな装置をくくりつけて、
「パシュ~ン」
と秘密基地まで飛ばしてしまう。恐ろしいゲームだ。
敵の監視をかいくぐるヒントがくどいほど表示されるのに、いざ自分が強者になって、罪悪感のわかない相手がいれば、背後からパシューン。「そういうこと」をしてしまう。
心の奥底の悪が「今だ!」とささやくのだ。

メタルギア5は、遊び方で人柄を映し出す鏡のようなゲームだ。

DSC00171.jpg

しだいに明らかになってくる「核以上の兵器」。そのアイデア自体はぶっとんでるんだけど、
その周辺の、たとえば兵器の運搬方法や周辺の国の経済状況とか、細かい部分のリアリティをガチガチに固めて納得させられてしまう。

この破壊兵器を止めないといけない。戦争で腕や片目を失った傭兵たちが、なおも銃をとる…!
と思いきや、アイテムがふってきて頭を打って気絶!

ファミコン時代なら許される演出を、ほとんど実写のクオリティで再現するギャグ。
リアルとデフォルメのごった煮。
ガッツリ硬派な世界観を構築しておいて、あえて現実に戻したり、脱力する会話をぶち込む。

プレステ1の「ソリッド」から、ゲームのパッケージを見させたりする独特の演出があったけど、
そこまで唐突ではなく、長い会話も小分けにされていつでも聞けるようになっている。
小島監督の味は残しつつ、飲み込みやすくなった。
これ1作に、10月の空き時間は全部飲み込まれた。


にほんブログ村 ゲームブログへ
にほんブログ村

作り手の好きなものをまっすぐ浴びる快感。 PS4ダウンロードゲーム 「RUINER」レビュー

ジャケットの背中には「弟」。
マスクをかぶった「弟」が、未来都市レンゴクシティで、謎の女ハッカーと共に行方不明の兄を探す。
RUINER公式ページ。ポーランド産。

スクリーンショット (16)

まず「レンゴクシティ」の時点でちょっと笑う。
町名をつける時点で地獄にするつもりじゃないか。

最初に戦うことになる「クリープ団」は各家庭の三人目以降の子が集まったギャング。
この世界では子供の数が制限されていて、「第三子」たちは極めて厳しい環境で生きている。

DSC00134.jpg

いちいちポーズを決めて出てくる敵。
見おろし型アクションで、落ちている銃や刀を拾っては撃ち、弾切れになればすぐに捨てて次…と繰り返し、軽い命を次々と奪って兄の足取りを追う。

暴力描写は軽くても設定が重い。なのに、プレイして笑みがうかぶ。
「俺たちはこういう世界観が好きだー!!」
というスタッフの熱意にやられてしまう。


ゲームを進める上で無視してもいいけど、登場人物や武器には、全部解説が用意されている。

(RC-05ソニックガン)の解説。

音響兵器は元々、アームズ・テック社が暴動対策部隊のために開発したもので、怒れる暴徒を鎮圧する非力致死性兵器として、たちまち人気を博したの。次いで、どこかの強欲な資本家がこの銃をレベルアップさせようと考え、威力を強化し、非致死性は失われた。その結果がこれ。十分チャージしてから発射すれば、心臓や頭蓋骨といった、あらゆる固形物を一瞬にして”弾けさせる”わ。



たいして区別のつかない銃のひとつひとつに細かく設定があって、
読んでいくと「アームズ・テック社」が武器を作っては闇に流れていった経緯がわかる。
こういう設定や街並みこそが「作りたかったもの」で、アクションがオマケなのか。

DSC00135.jpg
「何度死んだっていいじゃない。失うモノなんてある?」

ビジュアル最高。セリフ回し最高。やさぐれた連中の話を聞いているだけで浸れる。
違うエリアへ移るロード時間さえ、バイクで運転する姿を入れて、キマッてない場面がない。ついついスクショを撮りまくり。

これでアクションさえ良ければ超名作だったのに。
ガードやグレネードなど、主人公の特殊能力を解放して、プレイヤーごとに違う戦法で闘えるようになるんだけど、現時点では「ノーマル」でも瞬殺されるのでカスタマイズも何もない。

見おろし型のそこそこ難しいゲームをクリアしてきたはずの自分だけど、
「難しい」というか「何がなんだか」。
点滅する画面で銃弾が飛び交って、死んでからはじめて
「俺は攻撃をくらってたのか?」
とわかるぐらい。

「あ…もう、これならイージーでいいです…」

と思って、イージーにしたら、いきなり観光客仕様。
力押しで行けるようになって、やっぱり戦略的に闘う面白さはなくなる。
イージーとノーマルの間がめちゃくちゃ大きい。

相当上達すれば、もっと戦い方に面白さが出てきそうだけど、そこまで何割のプレイヤーが到達できるか。

敵の戦い方よりも、名前や決めポーズばかり印象に残るし、全体的にヘン!力の入れ方がおかしい!
だけど、欠点のない磨き上げられたものより、こんな栄養の偏ったものを求めている自分もいる。
完成度は置いといて、好きか嫌いかでいえば好きとしか言いようがないでしょう!


にほんブログ村 ゲームブログへ
にほんブログ村

あえて2DシューティングにこだわるHousemarqueの「マターフォール」を一通りクリアして

Housemarqueというゲームメーカーがある。
PS4の発売と同時にダウンロードソフト「RESOGUN」を配信して一躍有名になった。

PS4に期待されていなかった横スクロールシューティング。
「次世代機に、時代遅れのグラディウスみたいなのがあるぞ」と失笑気味の中、配信されたRESOGUNは傑作だった。

「弾撃って敵倒す」だけでも、丁寧に作ればここまで気持ちいい。
音も、振動も、敵が破壊されるときに粉々になって飛び散る表現も、ハイスペックマシンの性能をちゃんと使ってる。基本ルールはファミコン時代から大して変わらないのに、最新の機能を取り入れた最新の快感。

敵の攻撃を避けつつ、たまにいる人間を救助するとボーナスになる。
一度に多くの人を救おうとするとリスクが大きくなる「プロテクターモード」はシューティングゲーム史上有数の出来だと思う。ハイスコアを目指すほどややこしいことを要求されるルール設定が秀逸。


その後「ALIANATION」「Star Strike Ultra」が配信されて、
待望の新作「MATTERFALL」が1620円にて配信されて、一通りクリアしたところ。

DSC00110.jpg

この人たちが作るゲーム、毎回似てるんだ。
横スクロールになったり、戦闘機が人になったりはするけど、荒廃した未来が舞台。
連続して倒すとスコアの倍率が上がって、敵も味方もやられるとコナゴナになる。最初は驚いたコナゴナ表現だけど、今は「おっ、お約束のやつ来たな」ぐらいの喜び。

毎回、生存者を助けるとボーナスが入る。
敵を倒すより人命救助のほうが「いいこと」とされている。このあたりが憎めない。

新しい要素としては、「マター」なる物質をまいて足場や壁を作れる。

DSC00112.jpg

右上の青く見える場所にマターで壁を作る。
通り抜け不可能に見える大量の敵がいる中でも、マターで壁を作って通り抜けたり、レーザー光線が迫ってきてもマター壁で防ぐ。

あと、L1で敵弾を無効化できる。ときに空中ダッシュしながら敵に突っ込んでマヒさせる。
ロックマンの精神的続編「マイティNO.9」を思わせるアクションだ。

相変わらず気持ちいい瞬間はある、平均以上のクオリティはある。
一見無理な敵の攻撃を、慣れるとパズルのように手際よく防いで、少ないライフを維持して突破できる。
ただ、マターで壁を作れる場面が限られていて、操作が複雑になった割に、それに見合う快感がもたらされないというか。
全体的にごちゃごちゃしていて、お得意の敵が砕け散る描写も、画面のごちゃつき感に拍車をかける。

ずっと70点ぐらいの面白さはあるのに、
「RESOGUNで90点取った子なんだからもっとすごい展開があるだろ、もっとできる子だろ!」
と思ってるうちに終わってしまった。

ロード時間中に設定の解説とか入れればいいんじゃない、とか
クリア時間の速さを求められるのに、人が隠れてるから寄り道をして人を探すことになる。どっちかにして、とか
カメラ寄りすぎのエリアとか、ちょっと残念。

ただ、次回作があれば絶対発売日に買うし、相変わらず期待してるけどね。1回傑作を作っちゃった「できる子」なんだから。




にほんブログ村 ゲームブログへ
にほんブログ村

穴だらけの英語力だから、忘れられない旅になる。 PS4「タイポマン」クリアレビュー

PS4ダウンロードソフト「タイポマン」クリアレビュー!

アルファベットからデザインされた世界で、キャラクターを動かし、言葉の力で進む横スクロールアクションパズル。
序盤で詰まる可能性もあるし、いきなりのバグもあったけど、忘れられないゲーム体験になった。

DSC00066.jpg

主人公のできることは、移動、ジャンプ、「文字を動かす」だけ。
行き先が障害物でふさがれていても、近くのアルファベットを持ち上げて
「MOVE」「UP」「RISE」
などに並び変えることで、壁がゴゴゴと動く。

難しそうだけど、そこに落ちてる文字を並べ替えることで正解ができるので、意外と行ける。
むしろ英語で育ってない人が数人集まって、思いついた単語をああだこうだ言いながらプレイするほうが、
「うわ、クリアできちゃった!」
と、ネイティブ以上の達成感を味わえるのでは。

序盤の難所は「GAS」から有毒ガスが出ているところで、Pを置けばGASP(吐き出す)になって通れるようになるところだけ。英語圏なら小さい子でもわかるんだろうけど苦戦した。

DSC00064.jpg


正解の言葉以外の組み合わせでも、適当に作った単語で意味が出てきたり、ゲーム側が反応してくれるのが楽しくて。
「OLD」なら画面全体がセピア色になったり、「BAD」なら主人公の顔つきが悪くなったり。
クリア後にもそういう遊び方メインにやり込める。
発見した単語数をオンラインランキングで競える作り込みっぷりだ。


それでも行き詰まった、英語が苦手な方のために、メインメニューから「ヘルプ」の項目がある。
このページがゲーム中で一番好きなところだ。

DSC00069.jpg

ヘルプの項目にはこれ1ページのみ。
ネイティブではないあなたは、単語を調べてみましょう。思いつく限り入力してみましょう。

「何よりも、楽しみながら英語力をつけることができます!」
今のあなたは苦しいのではない。楽しみながら学習しているんです! と自信に満ちた言葉を聞かされて帰される。

よほど自分の作ったゲームに自信がないと、こんなページ作れない。
作り手は「これはネイティブ以外でも楽しいものだ」と思って作ったし、同じことを思って日本語にローカライズした人がいる。
もっと解放のバリエーションがあれば…とか、100点満点ではないんだけど、なんとも忘れられない一品だ。


にほんブログ村 ゲームブログへ
にほんブログ村

「ヘビーレイン 心の軋むとき」に責任を感じさせられる

PS3から4へリマスターされた「HEAVY RAIN 心の軋むとき」クリア!

次々と殺人を犯しては、現場に折り紙と花を置いていく「折り紙殺人事件」が発生。
最新の調査ツールでデータを収集していくFBIの刑事、アナログな手段で1人づつ犠牲者の家族にアプローチする探偵など、複数の登場人物が犯人を追う。

主人公も、大切な息子をショッピングモールの人ごみで見失ってしまう。
DSC00054.jpg
選択肢が焦りで揺れて、時間とともに変化する。


メジャーな映画だと、序盤で大男がヒロインに襲いかかっても、
「なんだかんだで死なずに、機転をきかせて逃げるんだろう」とか、過去のお約束から、安心した上で観ていられる。
悲惨な展開になっても、それは作り手がそうしたもので、観ている側が責任を感じることはない。

ヘビーレインは「ゲーム」だ。
ぼくらはゲームを信用していない。どんな救いのない結末に分岐するかわからない。
自分のミスのせいで犠牲者が増えるかもしれない。
用意された何通りかの中から選ばされただけにも関わらず、
「こうなった責任が自分にある感じ」が確かにあって、嫌悪感でたまらなく、それでも途中でやめられなくなる。

DSC00046.jpg


たとえば、映画でよくある、互いに銃を突きつけ合うシチュエーションになる。
相手は興奮状態。どうやら情報を持っている。いつ撃たれるかわからない。こちらもいつでも発砲できる。

なだめる、怒る、駆け引きをする。選択肢が出てきて、つぎつぎ選ばされる。
相手が落ち着いてきた。このままなら無事に終わりそうだけど、まだ何をしてくるかわからない。
そこに、他にも武器になりそうなものが視界に入ってしまう。

さあどうする?どうする?これなら?それで正しかったか?
次々とゲームに問い詰められる。

容疑者から暴言を吐かれる。暴力で返すか、我慢するかを問われる。
我慢。
すると相手はどんどん侮辱を重ねてくる。
むしろこいつには手荒な行為でやり返した方が、最終的には子供たちの命を救うことにつながるんじゃ…と、思わせるところまで来る。迷っていると選択肢が消えていく。

DSC00047.jpg

実際に凶悪事件の捜査ってこんな?とか、思うことはあるけど、とにかくプレイヤーの焦らせかたが上手い。
その質問、事情聴取、急に答えられるわけないじゃないってところを鋭く突いてくる。

自分のせいでまずい展開になってない?なってない?とプレッシャーがきつくなってきて、息苦しくなったところでゆるめられ…の繰り返し。
クリア後には「あそこどっち選んだ?」と、生還者たちといろいろ語りたくなる。

にほんブログ村 ゲームブログへ
にほんブログ村
↑