SASUKEの「アタリマエ」を見直す「アルティメット・ビーストマスター」レビュー

NETFLIXオリジナル番組「アルティメット・ビーストマスター」全10話が一挙に配信された。
日本の「SASUKE」が原形だが、オリジナルのスポーツバラエティ。制作にはシルヴェスター・スタローンも関わっている。

YOUTUBE アルティメット・ビーストマスター予告

カリフォルニアの砂漠に組まれた「ビースト」
鋼鉄の恐竜の化石のような超巨大セットで、内部がアスレチックになっている。
参加者たちは口から入り、舌をイメージした急坂、内臓にあたるパイプ、垂れ下がったチェーンをつたい、ベルトコンベアからコンベアへ跳ぶ。
落下者を待つのは赤い水。「ビーストの血」だ。

日本、韓国、メキシコ、ブラジル、ドイツ、アメリカ。
6か国108人の挑戦者は、体育教師、軍人、スタントマン、サーカス団員…。
肉体も、生い立ちを語る姿からも本気度が伝わってくる。

日本からは、なかやまきんに君が出場しているが、
「目立ちたくて来た」様子ではない。体も仕上がっている(チョンマゲ姿は海外のMCにウケていた)

・SASUKEの「アタリマエ」を見直す

SASUKEとの変更点は、「落ちたら即失格」ルールの変更。
「番組VS参加者」ではなく、番組はただ場所を用意しただけ。参加者同士のポイント争いになっている。
急坂を登れば10点、一本橋を渡れば10点…とスコアを獲得していき、たとえ落下してもポイント上位なら次のエリアに進出。

もうひとつの要素が「ボーナスポイント」。
ところどころに配置されたレバーを下ろすとポイントがもらえる。

渡るだけなら簡単な一本橋。
でも、身を乗り出さないと届かない、高い位置にレバーがある。

「あのアイテムどうやって取るんだ!」
ファミコンみたいなことを考えていると、
ひとりの参加者が、開脚でレバーを下ろす。地上数メートルの、揺れる一本橋の上で!

ボーナスは難しい場所にあるため、狙って自滅する参加者が後を絶たない。
筋力よりも、バランスと身軽さが必要なコース設計になっていて、アジア人や女性アスリートも活躍できる。


しかし、日本勢は大苦戦。メキシコ勢のハングリーさ、アメリカ勢の輝かしい経歴に比べ、スコアが伸びない。印象を残せない。
海外の収録に付き合わないといけないので参加者が減ったとも思えるが、近い条件のはずの韓国勢の、筋肉の厚みと跳躍の前には、言い訳になってしまう。
「アジア人って、こんなになるの!?」
と思ってしまう人ばかりなのだ。

そこに一人の男がコールされる。
「コージィー・ウル・シバラ!」
SASUKEを2回完全制覇した男、漆原さんだ。
「USA!」「メヒコ!」と自国の応援しかしなかった参加者が一斉に拍手。
海外でもリスペクトされるサスケ・レジェンド、30代後半。彼の経験はビースト相手に通用するのか。


・あらためて知るSASUKEの魅力

「アルティメット・ビーストマスター」は、SASUKEのゲームバランスを調整した「正統改良版」だ。

じゃあ、改良して面白くなったのか。
そこは微妙!
セットがでかいことを強調しているけど、収録を分けているせいかずっと真っ暗。
選手をアップで撮影しないといけないから、規模もわからない。
SASUKEの、昼間の運動会みたいな緩さから始まって、だんだん暗くなり、強者だけが残っていく絵のほうが変化があって面白い。

参加者たちそれぞれにドラマがある。家族のため、祖国のため。いい話だ。
でも、まともな参加者がまともに整理されたルールで戦って面白いのか。
「自宅でセット組んで夢中になるうちに職を失った男が、足を滑らせて序盤でアウト」
のほうが面白いじゃないか。
茶化してるんじゃなくて。

不条理に思えていた部分はSASUKEの「味」だったんだ、と再発見できる番組だった。


ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

関連記事

コメント


トラックバック

↑