永田カビ「一人交換日記」闘病記から離れて、より手ごわい一冊に 

「さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ」
という本がある。
うつ、摂食障害を抱えて人と関われず、バイト先や家族に迷惑をかけてばかりの女性が、
親の評価を気にしていた自分を吹っ切るためにレズ風俗に行く。

「ピクシヴ」からほぼ素人の闘病記が出版されて、
きゃりーぱみゅぱみゅとかカズレーザーとか、ポップカルチャーを引っ張ってる人の手にまで届く過程を見ていた。
結構思い入れがある。

永田カビさんの凄かったのは
「傷つくこともかまわず傷口えぐってくスタイル」で、
これを僕は、インクのかわりに血で描いた漫画と呼ぶ。

自分の心の闇の部分って、考え込んだりさらけ出すことで悪化する可能性もあるし、
理解できない人に傷つけられる可能性もあるのに、全部さらけだしてネタにする。

摂食障害で、バイトのレジ打ち中にラーメンをかじるシーンが強烈で…
生麺をそのまま噛むと麺が血で染まるのが、やったことある人にしか描けない感があってグッと引き付けられた。

その続編的存在の「一人交換日記」買ってきた。
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「レズ風俗」の闘病要素がなくなり、その後の日々を描く。

死にたい気持ちがなくなった作者は、こんどは耐え難い孤独に襲われる。
わかり合える人といない限り、何人でいても孤独。
家族といても風俗に頼っても解消されない、心に穴の開いた感じがずっと続く。

そして、ためこんだ思いをさらけ出した「レズ風俗レポ」が家に届く!
誰よりも幸せになってほしかった母が読む!

「レズ風俗」は、両親からの評価が絶対だった娘の反抗。
「私はこんな思いを抱えていたんだ!」って叫び。
寝てばかりだと思っていた娘がこれを描いたと知ったら、何かしら反応はあるはずだ。

怒りか、謝罪か、祝福か。
どうにかなりそうな思いで母の感想を聞くと、
「うちの恥をさらしてる」
ととられていた。
ちゃんと読んでくれてない。
ため込んだ思いが商品になって、世に出て、自分の進む道が見えてきたのに。
「おめでとう」の一言もない。

私の描いた物はそないあかんか!
そないに!!あかんか!!

叫びが痛くて熱くて何度も読んでしまう。

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