PS4「ライフイズストレンジ」レビュー

ライフイズストレンジ。

時間を戻す(タイムリープ)能力に目覚めた女子高生マックス。

マックスは、銃を持った同級生から旧友クロエを救ったのをきっかけに、
少女失踪事件、校内のパーティの途中で意識を失ったクラスメイト、SNSいじめ、竜巻が町を襲う夢などの、身近だったり抗いきれなかったりする事件に向き合う。

DSCN0265.jpg

移動。調べる。Lボタンでビデオテープのようにキュルキュル時を戻す。
女子寮には調べられるものがたくさんある。
他人の部屋に何かあれば調べたい。調べるほど、大切にしている物やちょっとしたメモやラクガキによって登場人物の個性がわかってくる。

物や会話で登場人物が実在感を増して、たっぷり感情移入させてから「どちらの味方をするか」と問われる悩ましさ。


DSCN0261.jpg

何年も連絡していなかった間にパンク少女になったクロエと、久しぶりに子供のころのように話をして、はしゃいでいるうちに、1階から物音を聞きつけた父が上がってくる。
元軍人で行き過ぎた父に、部屋にあるマリファナ?を見つけられて、「どういうことだ!」と聞かれる。

一触即発の場で私のです、とかばうか、学校での立場を考えて黙って成り行きを見守るか。

結果、誰かが傷ついても
それは自分の選択しだいで避けられた。
「関与してしまった」感覚は、ゲームならではだ。より痛い。重い。
DSCN0262 (2)


アーティスト養成に力を入れた学校なので、舞台には写真がひんぱんに出てくる。
DSCN0263.jpg

ぼやかした画像表現に
「なんて憂鬱な写真なの…」
と言葉を入れることで、プレイヤーそれぞれが憂鬱な写真を想像できる。
あまり鮮明なグラフィックにしてしまうと、
「そこまでいい写真か?」「この人そこまで美人?」
って思ってしまうので、この表現方法はうまい。

持っている日記の書き込みも面白い。
プレイヤーが関わる前の日の気持ちから書かれている細かさ、メッセージを読めば面白さや不気味さは増すけど、
読むのが義務づけられてない。切り貼りの多さがアーティスト女子っぽい!パンク少女クロエは「顔文字禁止」!

DSCN0264.jpg


若さの可能性と残酷さを見せつけてくるストーリーで、SNSと銃の扱いがリアル。
冒頭で、銃を持った同級生からクロエを救うことで能力に目覚めるんだけど、選択しだいでは銃で撃たれることになる。

銃は高校生にはもてあます力で、必ず「撃ったほうがびびる」。
いろんなゲームで何百人と銃で人を撃ってきたけど、撃った側が「撃つつもりなかった!」と震えるのは新鮮だし、ちゃんと人を撃つ怖さを描いている。銃の扱いに慣れている大人との対比も見事。

いじめグループや主人公は、才能がありながらも挑戦しないことでチャンスをつかめず、なんとなく、こんな田舎町はクソだ、と言いながら貴重な日々を消費している。
貧困とかイジメとか、ゲーム内世界でぐらい考えたくないものをわざわざ味わう。
選択ひとつで、未来ってはっきり変わるんだぞ!ってメッセージも含んでいて耳が痛い。


決して楽しいだけのゲームではないんだけど、救いなのが、主人公が大人しいけど芯の強いタイプで
「10歳から13歳の楽しかった時を永遠に繰り返したら悩む必要なくてサイコー」
とは思わない。
どの選択なら友人を救えるか、ばかりに悩む。あまり自分に使おうとしない。
アナログカメラ好きのオタク寄りでありながら、共感しやすい。

最後に事件はどう結びつくのか、そして能力との向き合い方をどうするか。
超能力を持ったら、能力で好き勝手生きていって、それでいいのか。
能力と決別して生きていくべきなのか。

時間を操る能力ものにツッコミ所は必ずあるし、
「どの条件で、どの程度まで時間を戻せるの?体に影響はあるの?」
とは思うけど、最後の締め方はうまい。

ゲームなりの手法で、映画やドラマに挑戦している姿勢に唸る。
エピソードごとに、世界のプレイヤーと「このシーンでどの判断をしたか」「ここに気付いたか」と、
細かいプレイ状況をパーセンテージで比べられるんだけど、世界中のプレイヤーが悩んだことが間接的にわかってニヤリとできる。



関連記事

コメント


トラックバック

↑