PS4/3「アンメカニカル:エクステンデッド」レビュー

ゲームファンみんなが買って、一斉にわーっと盛り上がる大作ゲームは楽しい。
繁華街に出て仲間と大騒ぎする楽しさ。

ストイックに攻略法を追及したり細かい駆け引きをするゲームもいい。
闘技場で、血と汗にまみれたリアルファイトに参加する興奮。

ただ、その繁華街と闘技場を往復する合間の、踊り場というか一杯のコーヒーみたいなゲームもある。
1000円のダウンロードゲームは、気分転換のコーヒー的な存在だ。

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「UNMECHANICAL:EXTENDED」
は絶妙のブレンド、絶妙の一服を提供してくれた。


主人公はUFOっぽい「何か」としか言いようのない何か。
いつのどこかわからない場所で大きな何かに捕まるので、どこかへ出るのが目的。
全く説明もなく、薄暗い機械の内部のようなところでパズルを解きながら奥へ進んでいくんだけど、この雰囲気が本当に絶妙。

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ふしぎ空間に独りぼっちで閉じ込められるという状況で、ちょっとでも味付けを間違えたら恐怖感や孤独感が湧きそうなのに、職人的な調整でプレイヤーにストレスを感じさせない。
ずっと薄暗いのに、怖いという感情にはならない。濁った水中に潜ると、ちょうど心地よい音楽が流れて汚く感じない。あえてベトベトした汚れを描写しないでいる所など、
「ここがユーザーが不快感を感じないギリギリの点だな」
と全部心理を読み取って作られたような心地よさ。

主人公はスティックで移動して、ボタンをどれか押せばキャトルミューティレーションするようなビームがポワワワンと出るので、それで何かを持ち運ぶ。
タイトルやスタッフロール以外、徹底的に文字を排除したのと、使用するボタンが基本ひとつというのも、無印良品のデザインのようなこだわりを感じる。

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謎といっても、最初は「ボタンを押してる間ドアが開くので、ボタンの上に石を置く」
とかそんなレベル。最近のよくできてるパズルに慣れている人ならそこまで驚くほどではないかもしれない。

だけど新しい「障害物」が出てきて、
「ここを押すとこうなって、こういう仕組みか」
と探っている段階が面白い。

このゲームの障害物は、単なる主人公を足止めするための壁じゃなくて、本来は別の用途がある機械であって、主人公がたまたまそこに迷い込んでしまった異物。
そこから言葉はないので手探りで機械の動きパターンを理解して脱出方法を探すのが面白い。
また、本来はどんな作業をするための機械なのかな…と想像できる余地がなんとなくある。

6800円のゲームに求めるものでなく、300円のゲームに求めるものでもなく、
1000円から1500円くらいのゲームに求めるもの。
そこそこ高い品質と、ダウンロードならではの新鮮さ。そのへんをきっちり提供してくれた。

雰囲気重視で文章少な目のゲームはたくさんあるけど、その中でも、小粒だが繊細な職人ワザを見せてくれた一品。
いい仕事をみせていただきました。
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