できないことを、やらされる。「アルメロ」「ゾンビバイキング」クリアレビュー!


PS4の有料会員向け新サービス「ボート・トゥ・プレイ」の3作クリア!
新作3品の中から、一番得票数の多いゲームは無料で遊べるという企画。見事一位だった「グロウホーム」はステキなゲームだった。

WIN_20150918_115043.jpg

ルールの難解さで苦戦していた「アルメロ」も一度理解しちゃえば何をそこまで複雑だと思ったのか思い出せないくらい。
一部の文字が小さくて、裸眼で生活している僕が32型テレビでも身を乗り出さないと読めないのはちょっと困ったけど、(ちょっと!?)

海外のボードゲームみたいに細かいところまで作りこまれている。
マップはデジカメ写真の「ミニチュア効果」みたいな独特なエフェクトがかかって、カードは全て細かく動く。この雰囲気だけでたまらん。

マップを一歩づつ進んで、罠カードが設置された場所に踏み込むと、たとえば
「剣、盾のアイコンが揃わないと体力マイナス2」
など罠の内容が出てくる。
そこで、いろんなマークのかかれたサイコロを「知性」の数だけ転がして、剣と盾マークが揃えば回避できる。
だけど、振る前に自分のカードを提出して罠を退けることもできる。サイコロを振る前のわずかな時間に、剣と盾のマークがついたアイテムや装備カードを差し出せばいい。
リアルタイムで、どのカードを出してからサイコロ運にたくすのか決める。いい緊張感。
だけど、戦闘も最終的にサイコロ運で決まるから、30分近く白熱の駆け引きが続いたあとにもやっとした決着の付き方になりがち。
ライオンの王を討ち取って王座を継ぐのが目的なのに、王が強すぎて相打ちになって、直接戦ってない奴が優勝したりする。





WIN_20150922_234211.jpg

そしてバグで詰んでいた「ゾンビバイキング」だが、課金キャラのレイを使ってようやくクリアした。前作?のスティックイットトゥザマン!でも炸裂した、ひたすら悪趣味だがなぜか嫌いになれないキャラクターたちが、さらに進化。

ベースになるのは「くにおくん」を思わせる、驚くほどオーソドックスによくできた横スクロールアクション。

それを、超絶にキレてる音楽とビジュアルでコーティングし、ゲーム業界全ての中でもトップクラスのクレイジーさを誇るボスキャラたちが出迎える。まともじゃないやつの相手をする主人公たちゾンビ軍団もまともじゃない。

凶暴なハリネズミ野郎「ヘッジー」
イカと融合した生命体「シーガード」
筋肉モリモリでパワーを溜めると自分も爆発ダメージを受けるステロイド女「ガンボーグ」
幼少期に捨てられてカラスに育てられた「カカー」
基本はこの4人だ。
「ロキ」に盗まれた目玉を奪い返しに冒険をして、途中で生前の秘密を知ることになる。
キャラクター全員に個性的な技があるが、複雑な操作は必要ない。投げとガードと攻撃ボタンだけで始めての人でも「ワイワイ楽しめる」。

そう!ゲーム部分は普通なんだ。不自然なくらい。
登場キャラは前作に続いてどいつもこいつも人体改造されてたり欠損してたり控えめに言って奇形としか言いようのない造形だが、そのことに悩む様子は全く無く、ひたすらにナンセンスな会話が続く。

WIN_20150922_234339.jpg

序盤から、カカーの本当の母親が病気で、医者が悪い部分を全部摘出しまくって殺そうとしてる場面に出くわすんだけど、それを見たカカーは
(母親がいないという不幸な境遇って)超クール!
と、大喜び。

そんなテンションのトークが延々とエンディングまで続くから、お腹いっぱい!
北欧民族ジョークとか、さっぱりわからないのに延々と続く!
スウェーデン人とノルウェー人がどうのこうのとか。ウケようが滑ろうが関係ないから!

これが不愉快かと言うと、まあ間違いなく愉快ではないんだけど、「スティックイットトゥザマン!」に比べたら気持ち悪い描写は(これでも)少なくなってるし、
絶対にお涙ちょうだいの展開にはしないぞ!徹底してくだらないジョークを続けてやる!という姿勢に、
「ここまでやってくれると、いっそ気持ちいい」
と思うようになる...
か、コントローラを画面に投げつけたくなるか、どちらかだ。


WIN_20150922_234248.jpg

外せないのは、優れた音楽の数々。
画面の暗さを中和するぐらい、そこで流れている音楽は気持ちのいいビートが常に支配していて、画面には病人が写っていても、音楽が
「このシーンは深刻にならなくていいんだよ」
と教えてくれる。プレイした印象は画面写真よりずっと明るい。
中でもいいのが
「ボーカル付き、ポーズ画面の歌」

このゲームではオプションボタンを押すと、「ポオーズ・アイニードポーズ…」と、即興で考えたような歌が流れる。
ボーカル入りの曲は見せ場で流すものという常識にとらわれず、見せ場からもっとも遠いところに歌を流すセンスが凄いし、歌自体も、本当は上手い人が遊びでやってる感じでおもしろい。

このように、間違いなく一見の価値ありのゲームだが、巨大な欠点があって、たぶんこれを作った人は4人オンラインで集まって遊ぶのが理想的な形としてあって、1人で最後まで続けるようなストイックプレイはあまりオススメではないのだ。
終盤の敵はとにかく固くて、隠し武器やトロフィーも一部は4人集まらないと取れない場所にある。
しかもリトライすると変な場所から再開するバグが非常に多い。

しかし、あなたの「フレンド」さんは、通常2000円の「ゾンビバイキング」を買って一緒にやろうぜ!って誘っても、

WIN_20150922_234126.jpg

これの画面写真見せて、

「わかった買うよ!」って言ってくれますか。
劉備玄徳と義兄弟たちじゃあるまいし、オンラインのフレンドってそこまで固い繋がりじゃない気がする。


だからこそ、「グロウホーム」じゃなくてゾンビバイキングを無料配信にしてほしかった。
体験版を配信できる機会さえあれば、今回のボートトゥプレイの3作品だったら勝算はあったし、少なくとも画面から受けるイメージとは違うのがわかる。

テレビで映画やってたとか、授業で興味のなかった本を読んだとか、友達に無理やり音楽を聞かされたとか。
「タダじゃなかったら出会わなかった作品」
との出会いが感性を揺さぶり、人生を変えることだってあるんだから。
関連記事

コメント


トラックバック

↑