「アンティルドーン」ほぼネタバレ無しクリアレビュー

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雪深いロッジに集まって、毎年パーティーを開催している男女。
夜更けに、メガネ女子のハンナは片思いの男性に呼び出されて告白される。

彼に促されて、意を決して服を脱ごうとした瞬間、

「ジャーン!」

カメラを持った他のメンバーが乱入してきた。
全てハンナの気持ちをもてあそんだ、度の越えたイタズラだったのだ。
動揺したハンナはロッジを飛び出してしまい、双子のベスも後を追って走り出す。

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結果として、軽いおふざけのつもりが、そのまま消息を絶つという最悪の事態を起こしてしまった。

1年後、行方不明になった二人の兄であるジョシュの呼びかけで、そのときのメンバーが再び集まる。
「悲しいことはあったけど、二人の命日だからこそ、今年も同じメンバーで集まって、思いっきり楽しもうぜ!」


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場所は変わって、クリニックで医師にカウンセリングを受けている「誰か」の姿があった…。
(パーセンテージは、オンラインを使用した全国の皆さんの回答)


アンティルドーン 惨劇の山荘(無駄に大きい音と共に出てくるタイトル)


こんな感じで始まるアンティルドーン。
ひたすら間のびしたゲームが溢れる昨今、簡単な選択肢を選ぶだけのシステムで総プレイ9時間以下!

「広くて薄い」世界が広がるんじゃなくて、フィールドは徹底的に狭くて一方通行。
その代り、存在する全てのものが作りこんである。
たとえば手に取ったメモを読んで、ひっくり返すと裏面にまでちゃんと何か書いてあったり、歩くといちいち不穏な物音がしたりして探索が楽しい。

ストーリーはキッチリ怖がらせてくれて、壮大じゃないけどスパッと終わる。
ミステリーやホラーに詳しい人なら、
「ああこいうオチね、ははーん」
ぐらいの反応に終わるかもしれないけど、個人的には難解なゲーム続きだったので、いい感じにスタッフの手の中で踊らされて
「あー怖かった!けど面白かった!」
と言えるのが久しぶりでうれしい。
俺の理解力にあわせてストーリー作ってくれてありがとう!


ゲームは、シーンごとに違う登場人物を移動させて、選択肢が出たら二択で答える。
アクションシーンでは表示されたボタンをすぐに押す。押さないという選択肢もある。

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これは、何気ない会話で人間関係が悪化して、ずっと後になって会話が変化して、そのせいでまた展開が変わる…というふうに連鎖的に展開が変化する「バタフライ・エフェクトシステム」。

蝶の羽が本みたいにめくれて、

・このシーンでエミリーに味方をした。
・エミリーは気分をよくしたのでこの道具を渡した。
・道具のおかげで危機を脱した。



…という感じで、自分がこういう展開に遭遇したのは、ずっと前のこの選択が関係していたのか!ということを振り返ることができる。

ちょっと待て、選択で展開が変化するって当たり前じゃないか!それを
「バタフライ・エフェクトシステム」
って、何それダサくない?って言われたらぐうの音も出ませんが、このゲームでは運命を象徴する生き物として「蝶」が使われていているのです。
カナダの雪山ということでグリズリーの存在も匂わされるけど、グリズリーよりはバタフライのほうが雰囲気があるし、雪解けみたいなイメージもあるのかな?

欠点としては、プレイ動画配信可能なのにネタバレに弱い。

ホラーゲーの動画配信は面白いと思うけど、誰かが「この先やばいよー」と悪意なくコメントするだけでも身構えてしまうので面白さが一気に変わる。
買うかどうか迷ってる人が、うっかり終盤を見ただけで買う気がなくなるとか、誰も得しない事態もあり得る。

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全編通して孤独感が怖くて、その分仲間と再会したときの喜びも大きくなるので、個人的には、(前のレビューと変わるけど)第一章以降は配信禁止にしたほうが正解だったと思う。
怖がってる人の実況プレイ面白いけどね。でもニコニコ動画の零シリーズとかでいっぱいあるでしょそういうのは。

そして、何の情報もなくスタッフの手の中で踊らされた自分は幸福。

満足度もかなり高いです。自分以外でもPSストアでこのゲームをダウンロード購入した人の評価は星の数5個中4個。
ダウンロード版を定価で買って、短いけど売却できない人の評価として考えると、かなり健闘していると思うんですよ。

恐怖感も強くて、「バイオ」や「零」が怖くなかった自分でも、前半の無力さと、知らず知らずに運命が悪いほうへ傾いてる感じは相当怖かった。
ホラーのお約束的にメンバーが別行動したり、怪しい人影が出てきたりするのは見ようによっては笑えるけど。

ローカライズも非常に丁寧。
10時間以下で終わるといっても、ほぼ喋りっぱなしで、字幕と英語音声でも許されるようなゲームを、全て日本語吹き替えしてある。英語に切り替えも可能だ。


ホラーなのでグロテスクなシーンも、やっぱりある。
鳥山先生がデザインに関わってないほうの「くさったしたい」みたいな方も堂々と出てくる。

中でも、(これ以降はあくまでも自分の体験したルートの話になります)
一番ショッキングな殺人シーンは完全に何秒か暗転されて、字幕と音声だけになるんだけど、一瞬それも演出かと思った。

「これが日本版の規制? わかってないな。こういう凄惨な場面は直接見せないほうが恐怖感が増すし、この状況からして見せなくても何が起こってるのかは分かるだろ?」

なんて思っていたら、元のバージョンでは、ホラーに慣れてる人で何とか直視できるレベルの表現があったらしい。
ただ…やっぱり元から暗転したほうが演出として上手いと思う。

ということで、ワンシーンだけ、暗転して消されている場面が何度かある。

はい、
ムジュンした発言がありました。
ワンシーンなのか何度もあるのかどっちなんだ。

説明すると、このゲームは海外ドラマを意識している上に後戻り不可なので、章ごとに「前回のあらすじ」として過去のシーンをダイジェストで振り返るんです。
そこに暗転した一番ショッキングなシーンが使われているので、ワンシーンだけどプレイヤーにとっては何度か出てくる。回想とかするしね。
結果的に、ストーリーを振り返るのに映像がないという珍しい事態になってますが、プレイヤーが混乱したりすることはない。

PS4って、ダウンロードソフトは質量ともに豊かだけどパッケージはマニアックだったり遊びづらい物が多かったけど、ちょっとホラー耐性があれば楽しめるお薦めタイトルです。
安心して?惨劇の山荘に遊びに行ってほしい。




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