「横道世之介」を読んだ。

吉田修一の「横道世之介」という小説を読みました。
7月末から1日数ページずつ!
長崎から上京した大学生が1年を普通に過ごすだけなんだけど、普通と思っているのは主人公の横道世之介だけで、読者からは

「その経験、人生で一度きりだよ?」

といってあげたくなる、特別でないようでやっぱり特別な日々。

免許を取ろうとして同じ教室の女の子と知り合うとか、
エアコンのある男友達の部屋で勝手にくつろぐとか、
大人になったらなかなかできない。


大学生である横道青年の1年間と、その何年もあとのことが挿入されて少しだけ書かれているんだけど、大学時代に経験したささいなことが登場人物たちの人生の大きな分岐点になっていたりする。

実際の人生と同じで、甲子園に行ったとか、宝くじが当たったとか、そんな分かりやすい人生の分岐点はないけど、
たまたま近所の人と仲良くなったとか、ささいなことの繰り返しが実は分岐点になって、いつのまにか将来が決まっていく。
読者が神の視点なので、そのへんがすごくわかりやすい。

とはいえ難しいことは何もなく、短いエピソードに区切られて、
割りのいいバイトが見つかったとか、サンバカーニバルに参加することになったとか。
そんなちょっと特別な日常がまぶしい。

時代設定がやや昔で、映画版ではより懐かしい感覚になれると、両作品とも好評のようです。
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