北村ヂン×田代まさし「マーシーの薬物リハビリ日記」を読んだ。





北村ヂンの名前を先に書いたのは、この本は田代まさしの名前を大きく出しているものの、北村ヂンのルポ漫画という印象を受けたからです。


新年度1発目によりによって…と思われそうですが、最近本を読む気分になれなくて、コミックエッセイならということで手に取ってみました。
ミュージシャンからお笑い芸人に転身するも盗撮、のぞき、覚せい剤と繰り返し、「落ちたタレント」の代表格になった田代まさしの、あのころ、そして今が書かれています。
もう知らない世代も出てきてますが、今でいうと「勝俣、出川ポジション」でしょうか。
主役を張ることは少ないけどテレビでしょっちゅう見る人気者といった感じの人でした。
その田代が、人気者から一転してダメな人の代表格になり、全てを失って、芸能人じゃないのに何をしても好奇の目にさらされるストレスの中でどうやって生きているのか。

答えは、「私は覚せい剤をやめられない!」と認めることだった。

これまでは、
「これから生まれ変わります!応援してください!」
という本を出しては再犯のパターンを繰り返していたけど、この本では
「覚せい剤は一度使うと絶対やめられないぐらい気持ちいい。だからこそ、使ったことのない人はそのまま使わないでほしい」
と、覚せい剤が超絶に気持ちよかったことを認める内容になっている。

特にダルクの代表が、30年以上ドラッグをやめているのにまだ快感を覚えているのや、危険ドラッグの怖さを語る場面は、そのまま学校の図書室にこの本を置いてもいいんじゃないかと思うぐらい、負の説得力がある。

もう一つ教育上いいのは、刑務所生活がつまらなそうなことだ。
中島らもが刑務所の過ごした日々のエッセイを読んだことがあるけど、天才であるらもさんの手にかかると、ちょっと刑務所の悲喜こもごもが面白そうに見えてしまうんだけど、この本を読むと
「刑務所はしんどい」
という、当たり前のことが再確認できる。

文章じゃなくて、漫画になったのも、読みやすくていい。
特に、似顔絵に気合が入っていて有名人の顔がちゃんと誰かわかるところや、えぐい場面はあっさり描かれているのがいい。
「このコマ、あの番組だ!」
「ゲームの主人公になったこと、忘れてなかったのか」
など小ネタも楽しめる。

本人も、アングラな場所での活動はするものの、華やかな芸能界への復帰は考えておらず、薬物依存に関して勉強して、一般人とは違う問題をかかえた「芸能人のためのダルク」を作ることが目標だそうです。

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(これまでがアレだったとはいえ)今までで一番説得力があって、少なくとも、読まずに想像していたのとはちょっと違う内容でした。面白かった!

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