「後ろ向き」amazon過去レビュー

後ろ向き―一週間に一日幸せならいい後ろ向き―一週間に一日幸せならいい
(2006/07)
岸部 四郎

商品詳細を見る
この本の根っこにあるのは、
「おれはこんな辛い人生だったのにみんな幸せそうにしやがって!」といった恨み辛みではない。
「おれはこんな失敗をしたけど、次世代を担うみんなは頑張って生きるんだ!」といった暑苦しいメッセージでもない。

ましてや、「芸能界の裏情報をあばいて一儲けしてやろう」といった意地汚い根性では絶対ない。

ただ、しんどい現状をぶつぶつとつぶやいているだけである。それが、とぼけたイラストの効果もあって妙な面白さをかもし出している。

精神的な病を患っている人を、「頑張れ!」と引っ張りあげようとすると、余計に患者を追い詰めてしまう。
その場合は「ぼくもしんどいよ。でもまあマイペースにいきましょう」と患者に同調してあげないといけない。
ぼくがこの本を手に取ったときも精神的に疲れていたが、たまたま手に取ったこの本が「ぼくもしんどいよ」と言ってくれたおかげでふっと楽になった。

見たところつらい話ばっかりに思えるが絶望感を感じるほどではなく、無理なく不幸話が聞ける。
ストレスをためこんでいる人や緊張した生き方を強いられている人はぜひ手にとってほしい。

これを書いたときの自分は何に疲れていたんだろう。
将来のことや人間関係のことで相当やさぐれていて、いっそ死んだほうがマシなんじゃないかというぐらい荒れていたような…そこまででもないような…。
とにかく、自分より壮絶な体験をした人のエッセイを読み漁ることが自分にとっての癒しだった。
中島らもさんにハマったのもこの時期。
関連記事

コメント


トラックバック

↑