「サンゴクストーリーズ 天」クリア! ポイソフト作品に共通するのは「シチュエーションの面白さ」

 
毎度ユニークな3DSダウンロードソフトを出す、ポイソフトという会社があります。

子供が井戸に石を投げ込んでどうなったか想像する「ひゅ~ストン」
竹やりでハリボテを突く架空のアーケードゲームを集めた「タケヤリマン」
マンションで壁を叩いてみたら、隣室からレスポンスが返ってくる「マンションパーカッション」など。

スタッフが数えるほどしかいないので、
「タケヤリのゲームを収録したゲームっておかしくないですか」
と、途中で本当のことを言ってしまう人がいないから、毎回ヘンなゲームが完成してしまうのでしょう。ヘンなもの好きには喜ばしいことです。
「ポイソフトのゲームの熱狂的ファン」という人は聞いたことがないし、僕自身もそこまではまったことはないけど、なぜか愛されている印象のあるメーカーです。

そんなポイソフトが1月に発売した新作が
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「サンゴクストーリーズ 天」
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三国志の名場面を集めたオムニバス形式のアクションゲーム。

発表された当初は、さんざん使い古された題材に
「ポイソフトらしくない」「ありきたりだ」
という声が多く、発売直後に「ハコボーイ!」が急きょ20円安く発売されたりで、いまひとつ盛り上がってない印象ですが、実際にクリアすると実に、ポイっぽい(ポイソフトらしい)ゲームでした。

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好きなステージを選んで、それぞれの主人公で敵を倒します。
ジャンプ、ガード、ふたつまでの武器で、使うボタンは基本4つ。
これになれたら、ため攻撃やロックオンでより多彩に戦える。
矢は攻撃を当てればはね返るし、ガード中の敵にもジャンプで頭上にのればこちらを見失うなど、どんな状況にも敵味方お互いに対抗策があるのがわかってきて、ちまちましてるけどキッチリ作られています。

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本編と同じくらい存在感があるのが、登場する武将や状況の解説。
この解説が、話が脱線しがちな歴史の先生みたいで自分にはちょういどいいゆるさなんです。5800円のゲームでこれをやられたらイラッとするし、もっと固い文章なら全部読まない。

昔のゲームはRPGの途中で開発者が出てきたりして、ちょっとしたおふざけも許される空気があったんだけど、今はみんなシビアになって、低価格ゲームでもゆとりがなくなった。

たとえ笑いを誘うシーンでも、プレイヤーのご機嫌を必死でとろうとしているような息苦しさを感じたり、内輪受けのネット用語を出すだけだったり。
その点、このゲームのおおらかなテキストは貴重です。


このゲームにポイソフトらしさを感じたのは、この会社のゲームに共通して「シチュエーション重視」で作られた匂いがするからです。

「主人公が魔王を倒す王道のスタイルでも、絵がきれいでアイテムがふえたら面白いかも」
というゲーム的発想じゃなくて、
「マンションの壁を叩いたら隣からも返ってきて、だんだん建物が楽器みたいになったら面白いかも」
という、コントを作るような発想で生まれた感じ。



サンゴクストーリーズは「おもしろシチュエーション」の集まりである三国志の中から8つのエピソードだけを切りとって体験するというものです。
原型がわからないぐらい加工された三国志や西遊記を見慣れると地味に見えるけど、シチュエーション重視で、「自分たちはこういうものが好きで面白いと思う」ことをそのまま形にしたような手触りは、いい意味で初期のプレステのゲームっぽい。グラフィックもね。

たとえば「赤壁、十万本の矢」
突然、矢を10万本集めないといけない状況に追い込まれるステージです。(詳しくはエピソード辞典で)
このシチュエーションなら、へたにいじる必要ないでしょう。

わらをぎっしり積んだ船を操作し、敵船の周りでうろちょろしてゲージを上げてから、対岸の弓部隊に近づいてドラを鳴らすと、敵がいっせいに矢を放ってくるので、船体でたくさん受けとめる。
別にハイスコアが記録されたり、やりこみ要素もないけど、なんか面白いんですよね。

誰もが苦労する防衛ミッションとか、一度クリアしたらもういいかな…と思ってしまう面もあるし、10年前ならともかくワンコインで何十時間も遊べるゲームも多い現代では、サンゴクストーリーズは誰にでもお勧めできるゲームではないけど、ちょっと変わった味は付いている。
王道大作の箸休めにこういうの、たまに食べたくなるんだよ。



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