東海林さだお先生の丸かじりシリーズの良さがわかるようになってきた。

ホルモン焼きの丸かじりを読んでいる。
読んでるといっても、気が向いたときに適当にめくって、ちょっと読んでまた閉じて、次に開くときはまた違う話を読んでたり、他の読書とは違う感じです。

それぞれの、食べ物と人の絵はもともと別々に書かれたもの。
この組み合わせと、無表情な人の絵がジワジワ面白いのは自分だけでしょうか…

昔ちょっと手に取ったときはこの良さがわからなかったけど、今読むと、この絶妙な力の抜けぐあいの文章も絵も、他の人にはマネできないというのがわかる。
そんな「丸かじり」シリーズ31冊目。
もっとも、いつごろ始まったシリーズでどれが何冊目なのかさっぱりわからないんだけど、どこから読んでもいい具合になっている。

例えば「カツといえばサクッとして中はジューシー」が一番いいと皆言うけど、
ちょっと薄くてベチャッとなってる奴も好きとか、
うな丼をあえてぐちゃぐちゃに混ぜて食ってみるとか、
クリームと果物をパンで挟んだフルーツサンドをもらったものの、おじさんとしてはこれが昼飯なのかどうか戸惑う、とか。
そういう話がいくつも入っている。

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絶妙に力の抜けた文章の中に、突然文学的な表現が出てきたり、新しい話題が出てきたりするのも「ただ者ではなさ」を感じさせる。
「AKB総選挙が話題だが、おにぎりの具で総選挙をやるなら、あえて不人気のおかかを応援する」
とかそんな話だったけど。

丸かじりシリーズは、言ってしまえば
「好きな物を最後までとっておくか、最初に食べるか」
みたいな、誰もが食事をするときにやってるけどすぐ忘れてしまう、ささいなことの話だ。
ささいなことをていねいに拾って、集める。
読んでいるうちにだんだん凄さがわかってくるけど、決して偉そうにしたりしない。不思議な味の読み物なのだ。

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