宮田珠己「ウはウミウシのウ」は自由研究っぽい

宮田珠己のシュノーケル旅行記「ウはウミウシのウ」を読んだ。
海にいる変な生き物(主に軟体動物)を見つけることにこだわった旅行記なのに、写真は一枚もなくてかんたんな絵しかないという変わった本。海の生き物の見た目にこだわって、それ以上の生き物の体の機能がどうとか難しい話はしない。
中には海の透明度が低くて何も見えなかったとか、魚は見れなかったけど歯のつめものが取れたから取れたつめものの絵とか描いてて、読みながら「これは何だ」って思ったりするんだけど、

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最新作の「いい感じの石ころを拾いに」と並べて読むと
「ああ!こういう思想の人なんだ!」
というのがわかる。一冊ではわからない哲学。

両方とも、そのへんにあるものの見た目にこだわって、あえてそれ以上を研究しない。
夏休みの絵日記や自由研究をそのままスケール広げてった感じ。
子供のころは外で走り回ったり、落ちてる物を集めるだけで楽しかっただろう!深い学問の話をしなくても、それだけで楽しかったはずだ!ということを主張してたんだ。
石ころ拾いの本は、文章で笑いを誘うのもやめた、正にこの人の行き着いた究極のゾーンだったのかもしれない。やっぱり読み返すと不思議な気分になる。



末井昭「自殺」なんかの賞を獲る
今年のはじめごろ僕が読んで面白いと言ってたパチプロ編集者の波乱万丈の半生を綴った「自殺」がノンフィクションの賞を獲ったらしい。
これも処分しないで残してる本だけど、お金の悩みで深刻になってる人、マジメで息苦しい人は借りてでも読みましょう。すごく丁寧な語り口で人生の大切さを説いてるのに、優しいのに非常識。

序盤で「自分の家は貧乏だけど、病気のときに大金をはたいてペニシリンを買ってくれて一命をとりとめた」
という話をして、ああなるほど、という感じで読むんだけど、ずいぶん後の章で
「子供のころペニシリンを買ってくれて、薬代は結局うやむやにしたけど、おおらかな時代だった」
ってさりげなく踏み倒したことが書いてて、「アレッ?」てなる。
言われるままに株で大損する話と、巨額の借金もボロボロの服で銀行に謝りに行ったら許してくれた話は、バブルの時期の話だからクラクラする。常識が揺らぐ!
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