宮田珠己「いい感じの石ころを拾いに」 可愛い?石の写真がいっぱい! 

資本主義社会に一石を投じる
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鉱物や宝石など、世間で価値が認められている石の話題にあえてふれず、
そのへんに落ちている「いいかんじ」の石とそれを拾っている時間について語るだけで一冊の本になっています。
作者は昔から、笑い多めの旅行記を書いていたので今回もどうせオモシロ旅行記と並行して記念にその土地の石を拾ってくるんだろうな、と思っていたら今回まさかの笑いなし!
読み始めたときは、正直たいへんなものを買ってしまった、と思ったけど
ストロングスタイルで石についてだけ語って、ちゃんと読者が石を拾いに行きたくなるようになってます。

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「いいかんじ」とは何なのか、
どこに行けばそのような石は落ちているのかを追求するだけでなく、
石好きへのインタビューでは、石を磨いたり、カットしたり、台に乗せたり、水をやったりして(ここは作者も首をひねっている)
また違った味わいを出すコレクターも登場します。

石の中には、内部が光っているものもあり、磨くことでたしかに美しくなるものはあるけど、
「これは鉱石マニアのやることに近付いてるんじゃないか」
そもそも、何の価値もないとされている石ころそのものの美しさを見出すのが、この企画の趣旨だったんじゃないか…
と、美しい石はかえって石好きを悩ませることになってしまいます。

この本によると、
男の子は最初は虫などに興味を示し、次に自然に興味を示し、人生の終わりが近づくと石に興味を示すようになるそうですが、
たくさんの石写真を見ているうちに
「石ってこんなにいろんな色をしてたっけ」
と、ご老人でなくてもつい下を見てしまうくらいの影響力はあります。
テレビ番組でいうとタモリ倶楽部の変わった趣味の人を見ている感じ。

昔は海外旅行に行ってテンション高めの紀行文を書いていた宮田珠己さんが、どんどん笑いを減らしていって、
「ついにこんな哲学みたいな本出しちゃったのかよ!」
と思ったけど、ちゃんと文章は読みやすいままだし、石拾いをバカにした編集者を連れてくるところとか笑えるエピソードもあるし、
問題作といえば問題作だけど、決してマニア以外お断りの本になっていなくて好感度大です。



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