映画化されたばかりの「小さいおうち」を読み終わりました。


戦時中の話なんだけど、戦争からちょっと離れた人の話で新鮮でした。
「この年は日本は戦時下で大変だった」と記録されていても、実際は全ての人が絶望のどん底にいたわけじゃなくて、日々の仕事をしていた人がいた。
よく事実が伝わってこない戦争よりも、家事をしてごはんを作って、食べた人が喜んでくれたことのほうが大切だった。そんな話です。

東日本を震災が襲った年でも、実際は震災よりも目の前の生活のほうが重要だった人もいるし、ACのCMのパロディ動画を見て笑っていた人もいるという、当たり前といえば当たり前の話です。

当時の東京の華やかな描写と、生き生きした文章が心地よくて気持ちよく読んでいったんですが、だんだんページをめくるのがつらくなってきました。
みんなが幸せそうなほど、だんだん「このまま終わるんじゃないんだろうな」というのがわかってくるんですよ。
生活を描くことで、描かれていない戦争が迫ってくる恐怖も感じる、なんともいえない一冊でした。美味しそうな食事シーンも多く、そこまで重い話が続いたわけじゃないんだけど、重厚な本を読んだような読後感。



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