松本ハウス「統合失調症がやってきた」を読んで、軽く打ちのめされた

ハウス加賀谷と松本キックによる「統合失調症がやってきた」を読んだ。
正直、書き手の誠実さと真面目さをこれほど感じたのは久しぶりだ。

90年代、ボキャブラ天国という若手芸人を集めたお笑い番組があった。
爆笑問題、海砂利水魚(現くりぃむしちゅー)、ネプチューン、つぶやきシロー、アンジャッシュ、アンタッチャブル、U-turn(解散して土田晃之)、ロンドンブーツ1号2号、江頭2:50ら売れっ子芸人を多数輩出した番組の中で、人気があったのに番組終了と同時に姿を消したコンビがいた。
ハウス加賀谷と松本キックによる「松本ハウス」。
この本を書いたのは主に、ハウス加賀谷という坊主頭でピンクのテカテカのズボンを履いたハイテンションな芸風の男。

教育熱心な両親と塾通いのストレスを抱え込み、自分が周りから臭いと思われているような気がする「自己臭恐怖症」を発症して、後ろの席から聞こえてくる「臭い」という幻聴が辛くて、必死にわきを閉じていた小学校時代のこと。
やっと自分の居場所を見つけた芸人時代。薬を過剰に摂取してでもハイテンションを維持していた加賀谷だが、だんだん行動は破滅的になり、部屋でも殺し屋の幻覚を見て必死に伏せているという状況で、ついに芸人を廃業して、もっとも具合の悪い患者のための精神科閉鎖病棟に入ることになる。

そこから日常生活への復帰と、アルバイト生活時代、そして元相方にもう一度コンビの復活を申し出るまでの葛藤が書かれてるけど、読んだ後はただただハウス加賀谷という男の誠実さと、兄弟のように真正面から接してくれる相方、松本キックとの友情に打ちのめされた。
子供のころから現在まで、辛かったことや面白かったことをちゃんと思い出して、ひとつひとつ書いて、思い出せない個所は「ここはよく覚えてない」と正直に書く。どうしても記憶から抜け落ちている部分は相方視点になって、代わりに語ってくれる。

二人がしっかり手を繋いで一冊の本を完成させた感じが嬉しいし、内容に関しても、ここで感動させてやろうとか、こういうことは話題性があるだろうとか、「いやらしさ」をまるで感じない。
病気の人に勇気を与える本かどうかはよくわからない。そんな意図で書かれたわけじゃなくて、ただただ自分の過去と誠実に向き合った記録。読んだ後は表紙のふたりが何だかかっこよく見えてくる。




今気になっているのはこれです。ラーメン次郎を最初に取り上げたマンガ、新さん。

作者の孤独のグルメがヒットしたことでプレミアがついて、状態が悪くても定価の倍ぐらいする。ブックオフとかにうっかり置いてないもんか…
関連記事

コメント


トラックバック

↑