俺がココイチでトッピング追加したら雷が落ちた

普段とらないような珍しい行動をとると、雨が降ると言う。
自分の場合はカレー屋COCO一番でナスの入ったカレーを注文しようとしたら、その瞬間に雷が落ちた。



小さいころから、ナスを食べられなかった。
気が付けば20年以上ナスというものを口にしたこともなかった。
他の苦手な食べ物は、大人になるにつれ大丈夫になったり、栄養があることを知って克服したりしたけど、ナスだけは挑戦する機会もなかった。

子供のころ読んだ「美味しんぼ」で一番共感したセリフは、富井副部長の息子がナスを「スポンジみたい」な食感で嫌いというシーンだった。自分も全く同じことを感じて拒絶したし、大人の登場人物ばかりの中で、同じ小学生のキャラが、自分と全く同じことを言っていることに感動した。
あれから20年あまりが経過。ココイチでメニューを見ていたら、大きなナスの乗った野菜カレーの写真があった。

人生で初めて自然に思った。
(ナスのカレー、注文してみようかな)

今食べてみたら、自分の記憶しているスポンジみたいな食感とは違うんじゃないか。そもそも、カレーに浸っているんだから、食感がそのままのわけがない。これまでナスという存在を嫌悪し、逃げてばかりいたけど、あえて自分で金を払ってナスを注文し、普通に食べれたら、少し大人になれるんじゃないか。
もし、美味しくないと感じても、それはそれで、20年以上も口にしたことのないものを注文したというだけで、やはり人間としてひとつ成長したと言わざるをえないのではないのか。

新人らしい店員が口を開き、メニューを凝視している俺の思考に割って入った。
「あの、のちほどお伺いいたしましょうか」
「待ってください!」
俺は震える手で夏野菜カレーの写真を指した。
「こ、この、ナスの入った…」
その瞬間、バアン!と鼓膜を引っぱたくような音が鳴り、店内が一瞬真っ暗になった。
停電だ。
窓を大きな雨粒がたたき、窓際の席だったにも関わらず、みるみるうちに外の様子がわからなくなった。

「どういたしましょうか」と店員。
「ナス……ナスカの地上絵に描かれた鳥を思わせるような、チキンカツカレーください」


※最後の一言以外はほぼ実話です。
帰ったら父親の飼ってるスズムシがナス食ってた。


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