「目玉焼きの黄身いつつぶす?」の主人公は孤独のグルメの兄なのか

特定ジャンルの料理だけ食べてみたり、架空の料理を食べてみたり、そもそも食べずに料理の話をするだけだったり。近年のグルメマンガと女子高生部活マンガの細分化は凄いことになっています。
おおひなたごう「目玉焼きの黄身 いつつぶす?」は、あえて「食べ方の追及」と、表紙からは想像できませんがギャグ漫画家らしく「顔芸」という2つでパワフルに押してくるグルメ(?)漫画です。

DSCF0715 (384x475)


主人公は、彼女と初めて食べた朝食で、目玉焼きの黄身を最後に一口で食べる彼女を見て
「お前、バカか?」
とうっかり口にしてしまい、ふられてしまった劇団員、ジロー。
ありえないシチュエーションのようで、じつは「食べるときに食器を洗う手間を考えたことのある女、ない男」のすれ違いというのは、妙なリアルさも感じさせます。

DSCF0716 (475x360)


彼女を失って以来、ジローはいろいろなものの食べ方が病的に気になる、面倒くさい男になってしまいます。出色なのはカレーの食べ方回で、ジローはご飯とルーが半々に盛られた「半がけ」カレーの食べ方に苦悩することになります。
カレー屋では、ご飯の上全体にルーがかけられた「全がけ」はほとんどありません。しかし、ジローが、半がけカレーの、ルーとご飯の境い目を食べていくと、どうしてもルーの部分と白飯の部分が離れてしまうのです!

DSCF0717 (475x407)


DSCF0718 (304x475)


まるで十戒!!

かといって、カレー全部をかき混ぜてから食べるというのも、ジローの美的感覚が許さない。悩みぬいた末にとった行動は…まさかの「元カノを呼び出して、カレーを食べる姿を観察!」もはやこの人がどうやって社会生活を送ってこれたのか疑問になってきますが、そこでやはり半がけにしたカレーを食べる彼女に一言

「なぜルーを全がけしないんだ? 全がけのほうが食べやすいぞ?」

人が勝手にカレー作って食べてるところにこの質問。しかし、そこで彼女の口から、恐るべき幼少時のトラウマが明らかになります。

子供のころに、すごく辛い全がけカレーを食べた彼女は、辛くない部分を探そうとしたけど、白飯の場所がなかったために、ずっと辛い全がけカレーを食べ続けないといけなくなったことがあったのです。
「私にとって白いご飯は逃げ場 半がけでなくてはダメなの」

DSCF0720 (475x339)

別に幽体離脱しながら繰り返すほどのセリフではないような気がするのですが…


他にも、トンカツのキャベツを食べるタイミングに悩んだり、みかんとの対話に成功した先輩から最も美しいみかんの皮の剥き方を学んだり、様々な食べ方の悩みと、新しい食べ方を知るたびに出てくる顔芸が楽しめます。繊細なタッチで描かれると、神経質で見てられない主人公になるところを、顔芸の威力によって「細かいことを気にする男を笑うギャグ漫画」として成立しているのが面白い。

DSCF0722 (475x379)


ところで、ジローがニッチグルメ漫画のカリスマである「孤独のグルメ」の主人公「五郎」に似ていると感じたのは私だけでしょうか。自由な生き方を望み、髪型は横わけで、他者とのコミュニケーションが苦手。
名前といい、この二人が兄弟であると仮定すると、謎の多かった孤独のグルメの主人公の言動にも納得いくようになります。
子供のころから面倒くさい性格のジローと食卓を囲んで反面教師になり、ゴローは兄とは逆に、人の食事の時間を邪魔されることを嫌う性格になったのではいかと想像ができます。こんな人といっしょに生活していると、そりゃうるさい店員にアームロックのひとつもかけるような人になりますよ。


関連記事

コメント

小学校給食野郎 #-

No title

細かいことを気にする男を笑う?食習慣の違いは、『信念』というよりむしろ『信仰』に近いもの。軽々しく扱えるものではない。

それから、他の作品の主人公を兄弟と考えるという仮定にびっくり。どんな作品の主人公にも当然兄弟はいるもの、といわれているみたい…

2014年08月04日(月) 15時33分 | URL | 編集


トラックバック

↑