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「ドキュメンタル」と「二段階目の味わいかた」の話

アマゾンプライムで配信中の、松本人志プレゼンツ「ドキュメンタル」を観た。
予想していたのと違う。お笑い番組というより人間観察番組だ!

腕に覚えのある芸人や、テレビで活躍できない事情をかかえた芸人たちが、それぞれ参加費100万円を用意して部屋に集まる。
そこで笑ってしまった者から退場して、最後に残れば1000万獲得。

放送コードを気にせず、密室で何やってもいい環境に置かれた芸人は、ふつうに漫才やギャグを披露するだけではダメと最初からわかっている。
互いに手の内を知っている間柄で、コントが自然発生したり、何気ない会話で空気がおかしくなったり、異常な空間を観察する。
笑いの量だけでいえば他に見るものはある。
あくまでもこれは芸人モルモットの実験動画で、出演者たちの交友関係や過去を知っているとぐっと面白くなる。

他のレビューで散々言われてるけど、膠着状態を変えようと全裸になって「テレビでできないこと」に暴走し、見るに堪えない状況になる。ラジオで「こんなに知的だったのか!」と好きになった芸人をもう一度
「やっぱこの人ら、ついていけんわ」
と思い直すことも。

さいわい、シーズン5は過去最高に評判がいい。
ハリウッドザコシショウの、何度空振りしてもフルスイングの芸風が番組にマッチ。
助っ人の後輩「チャーミング」のじろうちゃんが、死ぬほど下らない宴会芸で、油断していた「成功者側」の芸人に一刺し。負け犬のクリティカルヒット。最高。不祥事で露出を控えていた加納英孝の空回りも好感度大だ。


「勝ち負けを見る娯楽」ってあるじゃないですか。
スポーツはもちろん、アクション映画とか特撮とか、お笑いでも採点で競うものがある。
最初は「どっちが勝つかな?」って興味だけで見てるんだけど、そのうち出演者の過去とか、スタッフの情報とか、会話の意図とか、監督の心理とか、勝ち負けより深いところを味わうようになる。
楽しみ方が「二段階目」に入るのだ。
アイドルなんてくだらねえ、プロレスなんてくだらねえ、と、よく味わう前にバカにしてしまうと、二段階目を知ってる人に怒られたりする。表面では勝ち負けを競っているようで、その奥を観ているんだ、と。

「ドキュメンタル」にもそういうところがある。
単純に金の取り合い、笑わせあいじゃなくて。
一見みんなおだやかに話をしつつ、「絶対にここで何もできずに帰れない」と、各々が何を言い出すか注意している異常な密室。
そこに、笑いとは関係ない食べ物やおもちゃを置くと、人は何を始めるのか。
その化学反応を観る「二段階目」の面白さがある。

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