行き詰まり感に説得力がある。いましろたかし「新釣れんボーイ」

いましろたかしの「新釣れんボーイ」に、エラー紙幣でいう「耳」発見。
作風とマッチしてて、これはいい耳だ、ちゃんと持っておこうと思った。

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作者本人をモデルにした漫画家「ヒマシロタカシ」の毎日の愚痴と病気、政治、故郷、エンターテイメント、猫。たまに釣りもする。

なんというか、研ぎ澄まされた脱力感。
なんというか、考え抜かれた何も考えてないようなセリフ回し。


釣り具は細かく描きまれて、興味ないことはざっくりした身もふたもない描き方。
貸しマンガ屋の「バキ」の背表紙のやる気のなさとか、作者が笑わそうとしているのかわからないけど笑う。



これは作者30代のころに描かれた前作「釣れんボーイ」1話。

スクリーンショット (13)


顔も環境も、独り言が長いのも、時の流れを感じさせる。「新」1話。
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部屋で飼ってるネコにマンガ論を語るシーンとか最高で、真面目に語ってるのにどうぶつしか聞いてない。
「ある夜 俺はヒマで福本伸行さんのインタビューをネットで観ていたんだ」
俺はヒマで、ってひと言いらないと思うんだけど、さぞヒマだったんだろうなあ。

作者自身の「ちょい自虐系」マンガはネットにもたくさん読めるけど、これは作者の年齢と、しっかり売れなかった経歴がある。行き詰まり感に説得力がある。昼飯代がちゃんと書かれていたり、金の話もリアルでつらい。

昼飯代に悩み、病院代に頭をかかえて、なんとか趣味の鮎釣りで解放される。
釣り具は意外と高い。
魚をすくう「タモ」なんて要は虫捕りアミの水中版だと思っていたが、粋な遊びのための道具だから、けっこうする。

スクリーンショット (14)


どの世界でもあるけど、趣味の世界で職人たちによって磨き上げられてきたこだわりアイテムはおもしろい。
ハンドメイドで軽量、魚を傷つけないように最先端の技術が使われている高級品になると3~5万円ぐらいする。

そのことを頭において読むと、最後にヒマシロ先生がやらかす「痛恨のミス」が、精神的にも経済的にも「痛く恨むミス」なのがわかる。
「持ち手が木で、もう生産していないタモ」
拾った人は大事に使おう。



二十世紀少年のアイデアの元になったと言われた「デメキング」
ボンボン末期に連載された「化け猫あんずちゃん」などが人気高め。

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