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明石家さんまの自伝でもあった「JIMMY アホみたいなホンマの話」を観たよ

まず、「ジミー大西」の存在がそもそも微妙になってない?とは思っていた。
「ドキュメンタル」「笑ってはいけない」に出て、連発されるスターウォーズのように有難みが薄れ、お笑い界ではずっと偉人扱いだけど、視聴者側は「そろそろええわ…」ってなってる感じ。

だけど、実際にNETFLIXで観た「JIMMY」は、
ジミー大西の半生という体だけど、それはさんま流の照れ隠しで、
自分の目が黒いうちに、ホンマのこと、世話になった人のことを記録しておこうという「自伝」に見えた。



今でこそアイドルが自分で「天然」と言っちゃうけど、
初めて「天然」と吐き捨てられた人類、ジミー大西。
人気絶頂期に突然引退して、スペインで画家になってしまったので、若くして死んだ歌手や作家のように伝説化している。


冒頭で、野球だけはできたので高校に進学したが、サインが理解できなかった話から始まる。

打席に立つときに監督がパッパッと体を動かしてサインを出すんだけど、野球を知らない視聴者もそこで、
「えっ? 野球って、そんな複雑なことやってんの?」
と、瞬時にジミーと同じ立場に置かれてしまう。

その後も不良に会うたびからまれ、学校に爆弾しかけたと電話させられたり、散々な生活をするジミーだが、
明石家さんまだけが「アホ」の一言で片づけて、いじめられた日々を告白しても、エピソードトーク扱いで爆笑してくれる。

つらい話も、視点を変えて、話術を磨けば「オモロイ話」にできる。
いいことなんかなかった人生は、実は全部丸儲けやったと肯定してくれる、強靭な「オモロイ方がええやないか」の精神。
(実際にさんまの笑えるエピソードって、無茶な先輩、離婚、借金絡みが多いのに、それが辛い経験だということすら意識させない。)

こんな人物を育てた、おそらく楽しいばかりじゃなかったさんまの幼少期が気になるが、
そこは話してもオモロない=語る価値ないのか、全く語られない。


ジミーは言葉を理解するのも遅くて、うなったりどもったり、周囲から見れば不審な言動をしてしまうけど、
さんまという先生に導かれて人生が変わっていく。
言い方は悪いけど「障害もの」に近い。

中盤からは、吉本ですら扱えないとクビ宣告されたジミーを、
体を張って守ってくれたさんまを慕って、こっそり部屋の掃除をしてあげる。緩めのおっさんずラブみたいだった。
大竹しのぶの「イワシじゃないの?」も、不思議ちゃんで可愛い。
間寛平役が息子さん(のはず・・)だったり、作品の外にもドラマを感じる。

先輩からいじられ、人気者になったジミーだったが、島田紳助の番組で絵を描く仕事が回ってくる。
上手い人のあとでジミーの子供みたいな絵が出てくる「オチ」要因のはずが、思わぬ評価を受け、お笑い以外の道が開けてしまう。
選択肢がなければ迷うこともないのに、新たな可能性が開けてしまう。

人生の分岐点で、やっぱりさんまに頼ると、これまでにない厳しい表情で教えられるのだ。
ジミーの笑いはどういうもので、絵はどういうものか。

お笑いに限った狭い話じゃない。
生きてても何もいいことがない、自分は何もできないと思っている人でも未来は予想できないし、チャンスは誰にでも回ってくる。
それを見るのは、単純に元気が出る。

最後は打ち上げ的にみんなで集まって、明石家さんま、村上ショージ、Mrオクレ、本物と役のジミー2人。「アホ」たちが集まる。
頭は白いのが目立ち、シワの増えた笑顔で、30年以上もウケないギャグをまだ続けている。
道がわかれても最後には合流したみんなで、気持ちよく終わる。

はずが、さんま役だけ不在なのが、まあ残念。
いないことで逆に意識してしまう。
本物と「似てるなあ!」って言いあったり、互いにギャグをやるとかもできないし、

よりによって劇中にハニートラップで週刊誌に売られるシーンがあるから、どうしてもいろいろ頭をよぎってしまう。
おそらく、数年後にスキャンダルのことも全部忘れてDVD化したら改めて評価される。
もしくは何十年も経って、お笑い芸人が言語学者みたいになってたら、吉本はかつて「アホ」の居場所でもあったことの貴重な資料になる。

「ドキュメンタル」と「二段階目の味わいかた」の話

アマゾンプライムで配信中の、松本人志プレゼンツ「ドキュメンタル」を観た。
予想していたのと違う。お笑い番組というより人間観察番組だ!

腕に覚えのある芸人や、テレビで活躍できない事情をかかえた芸人たちが、それぞれ参加費100万円を用意して部屋に集まる。
そこで笑ってしまった者から退場して、最後に残れば1000万獲得。

放送コードを気にせず、密室で何やってもいい環境に置かれた芸人は、ふつうに漫才やギャグを披露するだけではダメと最初からわかっている。
互いに手の内を知っている間柄で、コントが自然発生したり、何気ない会話で空気がおかしくなったり、異常な空間を観察する。
笑いの量だけでいえば他に見るものはある。
あくまでもこれは芸人モルモットの実験動画で、出演者たちの交友関係や過去を知っているとぐっと面白くなる。

他のレビューで散々言われてるけど、膠着状態を変えようと全裸になって「テレビでできないこと」に暴走し、見るに堪えない状況になる。ラジオで「こんなに知的だったのか!」と好きになった芸人をもう一度
「やっぱこの人ら、ついていけんわ」
と思い直すことも。

さいわい、シーズン5は過去最高に評判がいい。
ハリウッドザコシショウの、何度空振りしてもフルスイングの芸風が番組にマッチ。
助っ人の後輩「チャーミング」のじろうちゃんが、死ぬほど下らない宴会芸で、油断していた「成功者側」の芸人に一刺し。負け犬のクリティカルヒット。最高。不祥事で露出を控えていた加納英孝の空回りも好感度大だ。


「勝ち負けを見る娯楽」ってあるじゃないですか。
スポーツはもちろん、アクション映画とか特撮とか、お笑いでも採点で競うものがある。
最初は「どっちが勝つかな?」って興味だけで見てるんだけど、そのうち出演者の過去とか、スタッフの情報とか、会話の意図とか、監督の心理とか、勝ち負けより深いところを味わうようになる。
楽しみ方が「二段階目」に入るのだ。
アイドルなんてくだらねえ、プロレスなんてくだらねえ、と、よく味わう前にバカにしてしまうと、二段階目を知ってる人に怒られたりする。表面では勝ち負けを競っているようで、その奥を観ているんだ、と。

「ドキュメンタル」にもそういうところがある。
単純に金の取り合い、笑わせあいじゃなくて。
一見みんなおだやかに話をしつつ、「絶対にここで何もできずに帰れない」と、各々が何を言い出すか注意している異常な密室。
そこに、笑いとは関係ない食べ物やおもちゃを置くと、人は何を始めるのか。
その化学反応を観る「二段階目」の面白さがある。

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なんで映画館で?と思わせてからの素敵ロードムービー「ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE」

太川、蛭子、女性ゲストの3名で、まったりと、時に駆け足で目的地を目指す「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」映画版。

元々「池の水ぜんぶ抜く」みたいな小規模番組だったけど、有名になることで周囲が親切になり、無礼な蛭子発言にも一般人がやさしく接してくれるようになり、番組の緊張感は失われていた。
が、映画では舞台を台湾、ゲストに三船美佳を迎え、これまでのぬるい空気感を一旦リセット。
さらに、台風直撃、確認が不十分だったため高速道路に入るルール違反で足止め。序盤から苦しい展開になる。

バス車内で雨漏り、やや潔癖の気がある蛭子さんが本気で地元の民宿を嫌がるなど、
「親切にしてもらってるのにこの人はもう!」と口に出そうになる展開。
序盤はずっと豪雨の中で立ち往生。その中でなんとか地元の人たちに串焼きをもらったりして楽しみを探す。

日本なら文字情報や駅員さんの対応(親切ではなく)だけで旅ができそうだが、間違いなく「人」がいなければ初めから行き先がわからなくなる旅。

傘があっと言う間にひしゃげる豪雨の中を歩き、疲れが見える面々の前に、日本語ができる年配の女性が現れる。
「エビス!」と顔を見ただけで笑われ、僕らどう見られてるんだろう、と苦笑い。
そして三船美佳を紹介するのだが、
「三船敏郎、知ってますか、三船敏郎の娘です」
と聞いた瞬間、笑顔だった女性が目を輝かせる。

知ってる!台湾の人、みんな知ってるよ!

三船美佳は「三船敏郎の娘なのに、こんな感じ」のタレントだ。
彼女が有名になるほど、「ミフネ」の名は、邦画史に残る大スターの一族というより、親しみやすい、ちょっと軽い感じになりつつあった。
だけど、三船の名を出したとたんに、台湾のおばちゃんの反応が変わる。
不慣れな土地で散々な目に遭っている娘を、亡き父の威光が照らす。

好きなのは、精巧な純金の像が展示されているのを見るシーン。
天井まで精巧な金細工の部屋に太川、三船が圧倒される中、蛭子さんだけが像の前に「アメ玉」が籠に盛られているのに気付く。
「このアメは取っていっていいやつなのかな…?」
と思うところだが、蛭子さん、解説の人にろくに確認もせず口にいれて、
「ひとかたまりの金より一粒の飴」
なんか名言っぽく言ってるけど、なんだそれ!

日本と距離感があることで、より自由に悪口を言える蛭子や
3人を知らなくても純粋に親切にしてくれる人たちが印象的。ちゃんとテレビとは違う見ごたえのある、映画になっている。



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作中ゲームをあえて出さないことで原作再現したバラエティー版「カイジ」

俺も気づいてた!
「限定ジャンケンって実際にやるとつまんないのでは…」
って気付いてた!

PSVRの「鉄骨渡り」を見て、
「これ、本当は安全って意識をぶっとばすぐらい迫力がないとダメなんだ」
って気付いてた!

「カイジ」を再現するのに、作中ゲームをそのままやってもダメなんじゃ…って気付いてた!



借金を抱えた参加者を募って、原作の「世界観を」再現したバラエティー版「カイジ」。
全く期待してなかったのに面白かった。

原作の醍醐味って、ゲーム自体は単純なんだけど、極限状態に追い込まれることで、いろいろ考察が始まって、何気ないヒントから解放をひらめくカタルシス!
ゲーム自体は単純だけど実は深いルールに潜っていく感じ。
だけど実際に一回勝負で作中のゲームをやっても、あんな盛り上がる展開にはならないよね。


そこでバラエティ版カイジ。
いきなり命綱無しで「鉄骨渡り」再現。
下にクッション的な用意はしているんだけど、夜だから見えない。安全な奈落。
初見ならエグい場面も「これ原作再現だから!」と理由付けをして、一般人にやらせることができた。

また、テレビだから絶対安全にしてくれてるはず、とスタートダッシュで行く奴、
それはわかっても踏み出せない方にわかれる。
バンジージャンプで最初に考えちゃうと行けなくなるのと同じだ。

敗北しても損のない「芸人枠」があることに、観る前はどうかと思ったんだけど、
芸人さんたちは「これはテレビで絶対無理」と知っていたから、
「マジで!?えっ、マジでか!!」
って、作り手の正気を疑うように叫んでいて、みんな背中を押せそうで押せなくて。

それら全てが原作っぽくて、この時点でもう、成功!
叫びと参加者の表情は、ある意味実写やアニメも越えて、初めて完全に原作を再現してる気がした。
鉄骨の長さ。幅。何度も何度も黒服がテストして、ひどい目にあった末に決めたんでしょう。ご苦労様です。実際にやるとカニ歩きになるんだな。





地下生活再現パートで、
「あ、これやるんだ」
と軽く笑いも入れて、最後のペリカすごろく。

途中に「誰か一人を指定して戻す」コマがあって、
「100万出すから」「じゃあ200万」と、自然に交渉が始まった瞬間、まさにざわっ…とした。

イベントマスは「水を飲んだ量に応じて金がもらえる」
普通のバラエティならチープすぎるゲームだけど、これもエグい絵になってた。
外野から茶化してもルール違反じゃないけど、そこでカイジモノマネ芸人、躊躇!
集団生活を共にしての仲間意識か、反感を買うことで今後の仕事やゲーム進行に影響がでることを恐れたか、躊躇!


その後の生活が、どうなっていくかはわからない。
そもそも億単位の借金の人はどうすんだ問題もあったけど、これで知名度を上げたことが何かにつながるかもしれない。

序盤で脱落した借金芸人の岡野さんは、正月番組「レッドカーペット」で活躍して本業の笑いで成功をおさめた。
はずが、アキラ100%の失敗に全部話題をさらわれた。
「あらびき団」でもパチンコで負けたおじさんの一人コント。
年末年始3つも番組に出て全部チャンスをつかみそこねて、全部つながってる。


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NETFLIX「あいのり」メンバー激怒事件。正論だからこそつらいときがある


真実の愛を見つけるどころか、MCが(というかオードリー若林が)もう恋とかいいわ…と言い出す始末のネトフリ版あいのり。

恋愛要素よりも、最新回のメンバーブチ切れ事件に感動してしまった。
すごいな。あいのり。迫力で言ったら極道映画並み。こんな番組だったのか。
恋する十代より、大人のほうが感情移入できると思う。

説明すると、
「合コン旅行をしていた男女が、遅刻してスタッフに叱らて逆ギレ」
と、割とどうしようもない感じになるんだけど。



慣れないアジア旅行とスタッフの近さに、女性陣は何度か体調を崩したり、ストレスがたまってる状況だった。
カメラに常に撮られることを承諾して応募したけど、その重圧は思った以上だった。

そんな中、酒に酔ったあげくバスを待たせてしまう。
地元の運転手さんは、日本ほど時間厳守の感覚がないから、謝ったらすぐに「いいよいいよ」とにこやかな様子。


だけどそのあとに、番組のディレクターが説教したことに、女性メンバーの一人の「でっぱりん」、ちょっと出っ歯の九州の子が抗議する。
たしかにこちらが悪かったけど、そんな言われ方はない、常に撮影されて辛い、恋愛しろと言われても無理です、と涙をこらえてスタッフに言う。

言い分としてはスタッフが正しいんだけど、自分で応募したけどできなかったことは、誰にだってある。
学校を退学した。病気で休職した。離婚した。
それを大丈夫だった人に、
「弱い」「逃げてる」「甘えだ」と言われるのが一番つらい。

だけど、スタッフに抗議するでっぱりんに対して、ストレスを感じてなさそうな男性メンバーは
「撮られるのわかって応募したわけだから、甘えだと思う」
って言っちゃう。
「甘え」ってフレーズが出た瞬間、あっ、それはダメ、って思ったけど、それで火がついてしまう。

その後の「でっぱりん」のキレ方たるや、九州以外の人が勝手に想像する「気の強い九州女」の180パーセント増しぐらい。
その必死さを、じっと観ていた。
上に従ってヘコヘコしたり、陰口で終わらせるんじゃなくて、芯がある人だから怒っているんだ!
と謎の感動があったんだけど、視聴者目線だから、この流れはいくらキレてもどうしようもないのがわかってしまう。


「撮影されるのがつらい」
と女子同士で言ってたはずなのに、味方だったはずの女の子も引っ込んじゃって、気が付けば、でっぱりん一人でブチ切れてる状況。
男性側からは後ろにひっこんじゃった子のほうが可愛く見えてしまう。
何にも得がない、勝ち目もない、八方ふさがり。方言丸出しの怒声が響いて、なんか、「正しさだけじゃねえだろ!」って同調したくなる。


男性メンバーも悪いわけじゃないんだけどねー。
というか、いい子すぎ。
「異国でも時間厳守かよ。この番組スタッフはサラリーマン根性抜けてねーな!」
ぐらいに一緒に怒ってくれる人がいれば惨状は防げたかもしれない。
(と、年齢的にはスタッフ側に近いかもしれない俺は思った。)


男性メンバーはみんな快活。
だけど一人だけ、友達ゼロ人、ネットラジオをやっているシャイボーイさんって人がいる。
イロモノ枠のシャイさん、常に挙動不審だけどなんか独自の視点で発言してくれたりしないか。
一発逆転で誰かのハートを射止めることができたら、それは世界に夢と希望をもたらすことになるのだが。


新作アニメに備えて
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