オープンワールドの広さアピール、カッコ悪い。「インファマス ファーストライト」レビュー

据え置き機でゲームをやっている人間にとって、
「広大なオープンワールドが舞台ですよ」
という宣伝文句は、もう魅力的に聞こえない。

今どき、映画で「CGがリアル」とアピールされるような古さを感じる。それより中身だ! 狭くても広くてもいい、その街は見て楽しかったり美しかったりするのか?アクションは気持ちいいのか?キャラクターは魅力的か?
という当たり前のところが大事だということを気にするようになっている!

もうひとつ、気づいていたのです。
「オープンワールド」のゲームがだんだんおかしなことになっていることに!
元々はゲームの中にもう一つの世界を創るという、ロマンにあふれた言葉だったのに、いつの間にか、マップを確認して示されたマークの場所まで行って、イベントをプチプチ潰していくだけのみみっちいプレイを要求される!
…ように感じるのは自分だけかもしれないけど。 
もう「製作費○億の広大なオープンワールド」
と聞いてもロマンを感じなくなっているのは自分だけじゃないと思うんですよ。

その点、PS4ダウンロードソフト「インファマス ファーストライト」は分かってる。
どんな内容かというと、電気を操る主人公のフィッチが最初から敵に捕まっていて、狭い施設の中で本編の大ボスからカウンセリングを受けるゲームです。

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狭い施設の中で、フィッチの能力を試すために敵が襲ってくる!本編プレイした人ならもうおなじみのあの恐ろしい大女が煽る!
その戦闘がチュートリアルであり、オンラインランキングでスコアを競う要素もありでキッチリ面白い。そして、バトルに一区切り付いたら回想シーンで捕まる前の話に切り替わる。

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もちろん写真にエフェクトを付けるフォトモードも健在


・狭い狭い施設の中で戦闘をしてスコアを競う、細かいプレイ。
・広い広いシアトルの街並みをハイスピードで跳びまわる、自由なプレイ。
このふたつを交互にプレイすることで、それぞれが新鮮に感じられるという構成。これは上手いでしょ!

外の世界はパッケージソフトの「インファマス セカンドサン」とほぼ共通のマップだけど、ダウンロードゲーであんな広いマップ用意されても容量食うだけなので半分以上大胆にカット。うっとうしいデモ団体も、無駄に硬い敵もいない。
スティックを押しこめば、敵に色がついて一発で見分けがつく。
狙いを付ければ画面がスローになる上に敵の弱点が光る。
必殺技「ブラックホール」はなぜか敵だけを選別して時空の狭間に飲み込んでいくという技で、爽快感重視の仕上がり。曇りがちなシアトルの空気もカラッと乾くような楽しさ。
連続で敵をK.O.する近接攻撃も気持ちいいし、弱点を攻撃して倒した敵はしばらく同士討ちをしてから倒れるなど、いやらしい攻撃も気持ちいい。

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前作よりコンパクトに、面倒な要素を削った。
スピード感は増して、攻撃時の手ごたえの弱さも解消。
話は暗いけど、主人公はときに攻撃的に敵を挑発し、ウジウジしてないのでこちらもつらくない。
クリア後も好きな敵を設定して世界ランキング入りを目指して遊べる。
途中で難易度を変えるととれなくなるなど、トロフィー関連の面倒なものはなくなった。

おそらくだけど、「セカンドサン」のプレイヤーにアンケートをして、ちょっとでもストレスがたまる部分は徹底的にシェイプアップしたんだろう。
弱点のない一本。
これを1600円で配信されたら、他のメーカーは正直イヤでしょ! と思ったんだけど、R18で購入にはクレジットカード必須なので、簡単には買えないので多くのメーカーが救われたのであった。
そもそも、何でR18?わりと麻薬撲滅運動に力を入れていたような気がするのですが。支払い方法のない人のため、パッケージで2500円とかで売ることを検討してもいいと思うなあ。

そしてこのゲームは本編の前日譚になっているので、この後フィッチが救われるかどうかは、「セカンドサン」を買わないとわからないというのも、また上手い!
そんな書き方をすると、「ファーストライト」だけ買ったら消化不良になるんじゃ?
と思われそうだけど、実際はプレイ中の満足度が高いので、そこまで嫌な感じでもないと思う。オススメです!

インファマス ファーストライトを購入!

広い都市を疾走して、悪と正義の狭間で揺れるTPS、インファマス2のサイドストーリーがダウンロード専用で配信された。
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1600円でR指定のためクレジットカード必須。直前まで情報が無いなどいろいろ不安だったけど、買ってしまえばしっかりインファマス!速い!激しい!吹き替えバッチリ!
本編に登場したフィッチという、街のネオンを吸収して電撃を浴びせる、本気のラムちゃんみたいな女を主人公にして、オープンワールドを走りまくり。
さすがに本編に比べたら大幅に縮小されてるけど、これでも充分。

話は、フィッチが敵の組織につかまったところから始まって、能力テストと外の街にいたころを回想を交互に繰り返していくようだ。ストイックなシューティングと、オープンワールドの楽しみがそれぞれある。

キャラクターとしては本編のデルシンの方が好きだけど、最初から能力もある程度開放されてるし、善悪に偏ることもないので、こっちの方が手軽に歯ごたえあるTPSを楽しめていいかもしれない。

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前作で気にしていた人もいたらしい(個人的にはそうでもないけど)建物を上がっている途中のネズミ返しも気にせず突っ込んでいけるし。

街中に散らばったイベントはこんな感じ。
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監視カメラを使って犯人の場所をつきとめたり、レースや簡単なアクションをしたり。変にこったものより、単純なアクションのほうが楽しい。

ネオンを使ってグラフィティを描くのは、絵のセンスも、描くときの気持ちよさもデルシンの方が上かな。コントローラを縦に振って「カラン!」がないとね。

ボリューム的には1600円なら上等すぎるぐらい。プラチナトロフィーもあるぞ。

あと気になるのは、もう一人の能力者ユージーンのシナリオもあるのかな?ってところだ。
本当は全然違う新たな能力者が出てきたらもっと嬉しいんだが!

インファマスSSが扱った差別

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隣の家に、超いかつい外人が突然引っ越してきた。
今のところ普通に生活しているようだけど、せっかくだから友達になろうか、怖いし何かあったら嫌だから距離を置こうか。

その「超いかつい外人」の側に突然立たされるのが「インファマス セカンドサン」というゲームです。

「あいつらよく知らないけど、強そうで怖い」
って対応されるのは無知からくる差別ってやつで、される側に立つとムカつくでしょ?けどやり返したらもっと大変なことになっていくよ?
という問いかけもちょっとだけ含んでるから、このゲームは単なるB級アクションと片付けられない。

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そんなインファマスセカンドサンの2周目をハードモードでちょっと遊びました。
最初の魚を加工してる工場の緻密さとか、だんだん速く移動ができる能力を覚えていくからストレスを感じなくなっているとか、細かい部分に感心しながら。

ゲーム機に入ってのボス戦は何でここだけこんなにつまらないんだ!とかは改めて思った。
あそこの
「これは面白いことになりそう!」と期待させてから
「えっ、このだるい戦い…なに? ずっとやるの?」
まで上げて落とされる感じは主人公がビルの屋上から放つドロップアタック並みに強烈。

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仲間になるフィッチに殺しはよくないと諭すか、やられた分はやりかえしてやれと堕落させるかを選ぶんだけど、やりたいようにやらせると、最後にフィッチはテレビカメラに向かって、
「あー、これは誰にも理解してもらえない」
というパターンのアピールをしてしまう。復讐の道を選ぶと、最後に待つのは孤独と後味の悪さ。

コメントでご指摘いただきましたけど、ネットと往復して進めるペーパートレイルのイベントは一応日本語化できるんだけど、翻訳風の日本語に直されて雰囲気が変わってたりして、海外プレイヤーが味わった楽しみよりはだいぶ減ってる気はする。

次に買おうか迷ってる「シーフ」もスマートフォンとの連動要素はカットされたらしいので、そこまでのローカライズは難しいのかもしれない。






新作が出たばかりの「カラスは真っ白」のfake! fake!って曲のMVです。
みんなでゲームキューブでたいせんだー かわいい!



「インファマスSS」ペーパートレイルに未練

前にクリアした「インファマスセカンドサン」でひとつだけスルーしていた、ペーパートレイルというイベントがあります。
これにちょっとだけ触ってみたんだけど、この一連のイベント、面白いんですよ。でもどうにかならなかったのか。

どういうイベントかというと、
ゲーム中盤で登場する「紙の能力」を使う殺人者の後を追っていくイベントなんです。

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ゲーム中でターゲットを発見して、ひたすら追跡する。

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凄まじい速さの敵を折り紙殺人者をひたすら追う!
ていうか、その能力使わせてくれ!メッチャかっこええ!

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殺人現場で手がかりのアイテムを入手したあと、

実際にプレイヤーはWEBで公式サイトに簡単な個人情報を登録してサイトとゲームを連動させる。
するとゲーム中で入手した犯人のサイフ、電話、写真がネット上に表示されるので、それを調べる。犯人の持ち物の中に、探偵会社のホームページのアドレスがあるので、実際に入力してまた別のWEBページに跳ぶ…という、ゲーム本編とインターネット上を交互に進めていくイベントなんです。

それ、全部ゲーム内で架空のホームページを用意したほうが楽なんじゃない?
と思ったあなた。

その通りです。

だけど、PS4とパソコンを使って進行していくのは新鮮だし、本当は凄く面白いことをやってることは伝わってきた。だけどネット上のページは全部英語なので、非英語圏プレイヤーはほとんど置き去りなんですよ。(一応翻訳や攻略サイトでついていくことはできるけど、本当はもっとスリリングなんだろうなあ、という感じがする)

実際にある探偵会社(という設定)のホームページにログインするときは、
「パスワードを忘れた方は以下の質問の答えを入力してください」
というページを出して、再び犯人の持ち物を調べて、個人情報を調べて、犯人になりすましてログインするというイベントがある。
これもPS4内だけでやると「やらされてる感」が増すけど、PCでやるだけで雰囲気が出る。
ゲーム内のパズルを、現実の紙にメモして解いているようなワクワク感があった。

インファマスSSはアクションが多めでだんだん単調に感じてくるというレビューがあるけど、実は面白い謎解き要素はあるんですよ!しかも先行発売された海外では何回かに分けて配信されたもので、分量もじゅうぶんある。
ただ、特殊な形式で、英語ができないとほぼ素通りしてしまうだけで!

連動要素は難しい。
他機種同士の連動も、ひとつしか持ってない人には損した気しかしないし。
3DSのすれ違いも、ある意味ゲームと実生活の連動要素だと思うけど、実生活で歩くことができない人には何も楽しめるものじゃないし。(3DS持ってポケモンの映画を観に行くと…なんてのも用意されてるみたいですね)

俺と煙は高い所が大好き「インファマスセカンドサン」クリア!

チャイナタウンにやってきました。
シアトル中心部がわりと平凡な街並みだっただけに、東洋の街並みのカオスさがより一層強まって見えるな!美しさはないけど、こっちの方が断然魅力的だ。

だんだん強くなってきた敵勢力相手に暴れている途中で、新たな能力使いと接触した。
ビデオゲーム大好きなナード少年から受け取った能力は「ビデオ」
この世界の人気ゲーム「ヘブンズ・ヘルファイア」に出てくる天使や悪魔を召喚したり、
姿を消して警官に近付いて、空から剣を落として攻撃するなど、かなりトリッキーな戦い方になる。

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実在の街の中で軍隊と竜が交戦している絵があまりにもかっこよかったので、この能力だけでずっと戦っていたいと思ったけど、パワーを失ったときの補給がテレビモニターからというのがネック。常にモニターの前にいて、地の利を生かした戦い方なら超強い。ちなみにこの天使、「ベヨネッタ」に出ていたやつにソックリ。

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そのゲームの看板も発見

「ビデオ」能力使いの少年があまりにも典型的な、ゲームにしか興味ないいじめられっ子タイプで驚く。
最新機種のゲームなのに「ゲームやってる人」がほとんど差別的なまでにダメな子描写で、そこがこのゲームを海外ドラマっぽくしている。

敵側も、特殊能力を持つものを排除すべきだ、とアナウンスを繰り返して最終決戦が近づいているのを予感させる雰囲気になってきた。
ここで、善か悪かどっちかにふりきらないといけないのでストイックに悪行を積んでいた俺に、市民が襲い掛かりはじめた。

マジか!

車爆発させまくるわ、悪魔を召喚して飛び回ってるわで大暴れしてる怒りの魔神と化している人に、普通のシアトル市民が傘とか持って立ち向かってくる!
そのダメージが、意外と馬鹿にできない!
俺が悪人というよりも、一般市民の善の力が凄すぎるだろ!

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ビデオのエフェクトが派手で、混沌とした街並みに

しかも、俺があまりに悪人なので、そいつと戦っているボス側の非道な奴がなぜかヒーロー扱いになっているようで、このまま戦って勝っても後味が悪いだけになりそう。
これからどっちのプレイスタイルかで迷っている人は、どうせなら善人サイドを選んでおけばいいと思う。それぐらい、ちゃんと「力に力でやり返す」ことのどうしようもなさを感じさせてくれる。

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顔つきも、だんだんきつくなってきたような


その後4時間ほどプレイして…

悪人ルートで「インファマスセカンドサン」クリア!


ここからはクリア後の感想です。
膨大な広さのマップなのに、ロード時間が短くて軽快なアクションゲームでした。
もっと多彩な能力者を見てみたかったけど、人間関係もわかりやすいし、これぐらいがいいのかな。
ストーリーはなんとなく想像した通りではあるんだけど、何度かプレイヤーに判断を求められるところがいいアクセントになっていた。
プレイヤーたちは強大な能力を持っている。彼らを差別し、攻撃してきた人に復讐してもいいのか!?
復讐に燃える少年少女は「考え直すべき」か「やり返してもいい」のか?
どっちつかずではなく、はっきり自分なりの考えを決めて選択した方が、多彩な技が使えて強くなるというのが気に入った。ゲームの話だけど、ちょっと現実社会の問題とリンクして考えることができる内容なのもいいね。

欠点は…固い敵との戦いが全体的につまらなかった。
同じ開発チームの「スライ・クーパー」のときも思ったけど、バランスのいいゲームなのに途中に一か所だけ分かりにくいイベントがあったり、一人だけやたら強い敵がいたり。

あとシアトルは、ゲームの舞台として魅力的だったのか。普通すぎないか。
次にリアルな世界を再現したオープンワールドゲームを遊ぶなら、インドがいいな。仮想なら行ってみたい。

さてこれからどうしようか…やりこみ要素をコンプリートしたり、2周目もやろうと思えばできるけど、1回だけでサクッと終わらせるのが正しい遊び方のような気がするのは僕だけでしょうか。
オープンワールドのゲームでイベント完全制覇を狙おうとすると、最先端の遊びのはずが急にちまちました遊びかたになる。

選ばなかったルートや選択肢を2周目で選んでいくのもアリだけど、
一度きりしか選べない中で、しっかり悩んで選ぶのが正しい遊び方のような、そんな気がする。
追加コンテンツで新しい能力が出てきたりするようなので、それまでしばらく寝かせておこうかな。面白かったよ!
僕はPS3のもっとすごいやつよりも、絵やゲーム性はPS3のクオリティでじゅうぶんだから、サクサク快適性の増したやつがほしかったから。


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