すました顔で、忘れていたゲームの興奮を呼び起こす「THE WITNESS」未クリアレビュー

「THE WITNESS」クリア寸前でようやく諦めてレビュー。 
日本版紹介ページ


まず
「全てを知っていても完全クリアまで最低50時間のパズル」
で、ボリュームに引いた人がいたら誤解だ。
実際はその半分でクリア可能。

自分が何者かもわからない主人公が、島中を歩いて、各地のパズルを解き、
わからなくなったら島を散策して、休んで他のことでもやって、また散策。

新ジャンル「オープンワールドパズル」は、
全問解かなくても、いくつかの仕掛けを作動すればゲームクリア可能。
宣伝にあった大ボリュームは、オープンワールドの全ての問題を制覇した場合だった。

DSCN0299.jpg

「パズル」は、スタートからゴールまで正しいルートで一筆書きでつなぐだけ。
最初はパネルに描いてあるのを解くだけだが、周辺の地形がヒントだったり、地形全体が迷路になったり、
ひとつのルールで徹底的に揺さぶってくる。

ファミコン、スーファミ時代のRPGでよくある
「序盤から見えるけど開かないドア」
「ヒントがなくて詰まっていた場所を突破した解放感」
を最新ハードで味わう。

DSCN0298.jpg


序盤の「木」がわかりやすい。
これ答えあるの?と思ったら、既に視界に入っていた木に、ひとつだけ果実が実ってる。
次の問題では、木の枝の数が多くなっている。
その先にいくと、木の様子がおかしい!
1問ごとにこちらの思考を読んでパターンを崩してきてる!

コントローラー、ペン、方眼紙で製作者とガチンコ勝負。
これぞインディーズゲームだよ。

何度も何度も行き詰まりかけては突破して、クリア寸前でわからなくなって
いよいよ完全に諦めて人生初の攻略動画を観たら、
「クリア寸前の一番難しい問題は、ランダムで攻略サイト使用不可だった」

俺の思考は読まれてるんだなー。
作者の手のひらで踊らされてるんだなー。

易しくはないけど、パズルや脱出ゲームが苦手な自分が、
何度も最高の達成感を味わえた。
とっつきにくい優等生みたいな印象は誤解!

にほんブログ村 ゲームブログへ
にほんブログ村

PS4DLソフト「RIVE ライヴ」クリアレビュー

トゥー・トライブス公式サイト「RIVE」


パワー全開でぶっ飛ばしていたコナミの、いつの間にか出来てた隠し子が帰ってきた。

PS4ダウンロードソフト「RIVE」クリア!

スーファミ時代の、難しめのアクションが好きだったファンなら、一発で恋に落ちる。

宇宙に放り出された主人公が、
「懐かしのゲームミュージックをかけて…」
と、
明らかに「グラディウス」あたりを連想させるBGMをバックに、小惑星群を破壊しながら進む。

映像。音。破壊する感触。

モノマネではあるけど、ゲーム全体のクオリティが高い。
これ、小さいころコナミやカプコンで育った人たちの作品なんだ!と一発でわかる。この導入部だけで最高でしょ。


場面によって装備の変わるシューティングだが、
巨大な宇宙要塞(?)に捕らわれた主人公と、要塞を作ったものの手に負えなくなったドローンとの掛け合いを交えて進む。

複雑な要塞の脱出口を探して進んでいくんだけど、
制作したドローンが昔のゲーム好きのため、
「どこかで見覚えのあるシチュエーション」
が随所にある。

下から湧き上がってくるマグマに呑まれないように、二段ジャンプで複雑な地形を突破していくエリアとか。
どのゲームか忘れたけど、確かにこれ知ってる!
の連発。

主人公は太々しいオッサンなんだけど、
「主人公イコール、昔のゲームを知ってるプレイヤー」の構造になっていて、

「この攻撃はきいてるのか?」
「またこのパターンか!」
プレイヤーが思ったことをそのまんま喋る。

全方位シューティングから横スクロールに変わって、射撃も右だけにしかできないようになると
「落ち着く」
には笑った。
ハイテク装備を揃えつつも、タバコをくわえて、どことなくアナログ趣味。記録をまとめているときに、キーボードをカタカタ鳴らす音がするのもいい。もっと未来的なデバイスじゃないんだ!?


ゲームの欠点というか特徴。
難しすぎ!

ひたすらリトライを繰り返して、演出を楽しむよりも、いい加減疲れてきたころにクリアー。
トロフィーの要求も厳しくて、世界中のプレイヤーのうち1%も獲れないのがずらっと並ぶ。


とはいえ、「あのころ」の2Dアクション、シューティング好きなら血が騒ぐゲームなことは間違いなし。
これがさほど話題になってないところを見ると、コナミがゲーム事業から離れていくのもしょうがないかな…なんて思ったりした。

にほんブログ村 ゲームブログ ゲーム評論・レビューへ
にほんブログ村

PS4「ザ・ウィットネス」古き良き謎解きゲームの達成感を持つ「オープンワールドパズル」を断然支持する!

PS4で先日配信された「The Witness」

プレイヤーは何の情報もないまま島に放り出され、主観視点で歩きまわる。
目の前には閉ざされたドアとパネルがある。
DSCN0297.jpg

パネルに描かれた丸い部分をスタート地点として、ゴールまでなぞる。
ドアが開いた。広い場所にひらける。次のパネルを探す。

音楽もキャラクターもテキストも最小限まで削ってある。
突き放された世界で、自分と島の正体に迫っていく「オープンワールドパズル」だ。

DSCN0298.jpg

何のヒントもないようなパズルがあるが…
一歩引くと、同じ形の木があって、ひとつに果実が実っている。
作った人が「理不尽なものはひとつもないと言う通り」そのまま答えが書いてあるようなもんだ!

「島にパズルがある」んじゃない。パネルから問題がはみ出していて、猿の惑星のラストみたいに
「この島自体がパズルだったんだああ!!」
と絶叫しながら、驚きと発見を繰り返す。

パネルに描かれた記号の意味を考えて、数学的というか、理論で解くタイプの問題もあるけど、
周囲を観察してヒラメキで解くタイプの方が圧倒的に面白い!

DSCN0301.jpg

森の奥に入っていくと、今度こそ何の情報もないパズルがある。
木々のざわめきと自分の足音と、「カッコウ」と鳥の声が響くだけ。
今度こそわからない。自分より頭のいい人に作ってあるのかな。と違うルートを探す。

なにかの研究所跡や、上空の何かを目撃した瞬間のような格好で石化した人たち。
しばらくして森に戻ってきた。近くの滝の水音と「カッコウ」と鳥の声がする。

待てよ…!待て待て待て!
かすかに引っかかっていたけどスルーしてたんだ。
この島に生物は存在しないようだけど、鳥の声ってなんだ?
「鳥の声」だけこのゲームの世界観から浮いてる。そもそも、特定の場所だけで聞こえる鳥の声って明らかに不自然だよな。
パネルの形と鳥の声が…対応して…こうなって…。

あ、わかっちゃった。せーの、
「この島自体がパズルだったんだあ!!」

BGMがないゲームで音がヒント!
ヘッドホンを装着して、ひさしぶりに紙とペンを用意してゲームを進めた。

単なるオブジェ、手の届かない難易度に見えたパズルに見えたものが、まさに「視点を変えること」でぱらっとほどけるように解けて道が開ける。
主観視点の「オープンワールドパズル」なる新ジャンルなのに、古き良き謎解きゲームの快感がしっかり継承されているんだよ!
脳をギリギリまで締め付けられて、詰んだ、もうダメだ。と思ったところから一気に解放される。

「MYST」の影響を受けているそうだが、
メタルギアソリッド以前の小島秀夫作品のような、製作者の世界観を理解していく面白さもある。
あれにも音がゲーム内の仕掛けであったね…。

DSCN0299.jpg

完全クリアに何百時間もかかる質と量らしいので、自分はおそらく、ゲームの2割ぐらいしか理解できてないが、現時点でも「THE WITNESS」を断然支持したい!
この島がパズルだったんだあ!!



復讐の連鎖は何も生まない? 知ったことか。PS4「マフィア3」レビュー


1968年ルイジアナ。
ベトナム戦争から帰還するも、イタリアンマフィアに全てを奪われた黒人、リンカーン・クレイ。
彼は復讐のために、車を奪って密輸やパーティーの現場を襲撃し、敵リーダーの収入源を絶ってボスを追い詰めていく。

DSCN0288.jpg

いわゆるオープンワールドのTPSで、街をうろついて敵と戦う。好きなアメ車でレースをする。
ウォッチドッグスやGTAのような超A級の質と量を備えたシリーズに勝るクオリティとは言わない。
だけど、人種差別を絡めたストーリー、本物の音楽、雑誌、戦争映像を大胆に使うことでパンチの利いた仕上がりになった。

敵の縄張りに踏み込むと、銃弾とともに四方八方から黒人侮辱の悪口が飛び交う。
吹き替えなし。
そもそも対応する日本語がない。
普段の会話も全部「ピー」入れないといけないレベル!


ゲームも、暴力、エロに続いて差別描写に気を配るのが当たり前の時代が来る。
映画と同レベルの画質で、ボタン一つで配信できるんだからそれは当然の流れだ。

マフィア3は、いちはやく「人種差別」を前面に出したゲーム。
散々「言っちゃいけない言葉」を言われまくる代わりに、敵をつかまえれば処遇は自由。
暴力やエロよりもずっと繊細なテーマを押し出して、そこがゲームの印象を強烈にしているし、
どこでもタバコを吸うキャラクターや、当たり前にある「有色人種お断り」の店には、不快感よりも面白さを感じる。

物陰に潜んで敵を締め落とし、死体はかついで目につかないところに運ぶ。
目立つ場所に吊るした敵幹部の無残な姿が、敵ボスに対する宣戦布告のメッセージだ。
敵は配下にすることもできるけど、KKKのメンバーは生かす選択肢自体がなくて、エグイ殺し方で落とし前を付ける。
このへんのバランスで、ギリギリ差別描写もOKにしてるんだと思う。

DSCN0289.jpg


もうひとつ大事なのが「収集要素の豪華さ」
マップ上に落ちているのは当時の雑誌の表紙。
プレイボーイ、ホットロッド、宗教誌「懺悔」。

汚ねえ野郎ばかりの戦いの合間に、「コレクション」コーナーだけで見れる、ヌードグラビアや有名人のインタビュー。
乳首は★で隠してあるけど、ゲームの中にまた別世界があるような華やかさ。
たまに著名人のインタビューが掲載された号もあって、要約だけでもほしかった。
けど、これでオープンワールドにありがちな収集の退屈さは消えた。あえて言えばリトライ時のロードが長いので、そこでこそ雑誌やレコードを眺めて待ちたかった。

DSCN0292.jpg

DSCN0290.jpg


「GTA」「スカイリム」を越えるような規模のゲームではない。
あくまでも過去のオープンワールド系ゲームのフォロワーだ。
だけど、単なる2番煎じの評価に留まるよりは、他のゲームでやってないことやってやろうぜ!と気合が込められた感があり、
「悪くないけど物足りない」評価だった過去2作から、一皮むけた印象がある。

きれいごとがない。誰の幸せにも繋がらない。果てしない暴力の世界へようこそ!




12月のゲーム戦争にPS4「マフィア3」をあえて勧める!


ファイナルファンタジー15の評判が良い。
海外の超話題作と比べても、語る人の熱量が高い。
会わなかった人もいるだろうけど、おもしれー!!って言ってる人の声は超でかい。
ガラッと方向性を変えて評判もいいのは、往年のスクウェアを思い出す。いいなあ。



しかし、今回おすすめするのはあえてのR18「マフィア3」!
GTAのフォロワー。実在の街を舞台にしたオープンワールド。

自由に行動して、車を奪って警官をまいて、敵対勢力の支部を襲って、裏社会で勢力を拡大していくのが目的だ。

DSCN0280.jpg

この手のゲームって、刺激的なはずがだんだん作業的になりませんか。
広大な舞台はロードを長くするし、密度があって魅力的な人物がいるほうが楽しい。
各地のアイテム収集要素は、まだつぶしてないプチプチを一粒づつ探してるみたい。

そこにスパイスを効かせたのが、マフィア3の「実在感」

DSCN0275.jpg

1968年ルイジアナ州。
ベトナム帰還兵の黒人リンカーンは、恩人たちを殺し、自分も殺しかけたマフィアに復讐するため、裏社会でのし上がっていく。

冒頭から当時の実際の映像を使って、銃や車もおそらく忠実に再現。
戦闘中には汚い言葉が飛び交うし、カフェには
「有色人種お断り」
表示があって、店内でうろつくと通報されて、警察が集まってくる。

通りかかった車に銃を突き付けて運転手をおろす。
ド派手なアメ者のカーラジオから「ボーン・トゥ・ビー・ワイルド」が流れる。
警官を振り切って、周囲を巻き込んで疾走!

DSCN0279.jpg

主人公は悪だけど不器用で義理堅い。
戦争と差別がなければ、もっと普通の幸福な生活が得られたように思える。
設定を聞いたときよりは確実に感情移入しやすい。

ピリッとした難易度も特徴だ。
「イージー」で他のゲームの「ノーマル」ぐらいに感じる。
ていうかリトライのロード時間が欠点なので、イージー推奨。
銃を持った相手に正面から殴りかかってどうにかなる場面はあまりない。特に序盤キツメ。

出てくるメッセージや、訳しきれない言い回しを、100パー理解して堪能できる日本人は少ないだろう。
けど、銃のリロードの細かい動きとか、
古い車を発車するときのガタつきとか、随所の
「本物の材料を使用しております」
って感じ!


収集アイテムが本物の「プレイボーイ」や車雑誌「ホットロッド」など、文化を垣間見れるのも嬉しい。

DSCN0276.jpg

乳首だけ★マークで隠した、けっこうきわどい写真まで見れる。
キューブリック監督のインタビュー記事とか、車情報は、残念ながら文字量の問題で翻訳されず。
これまでのシリーズがそこまで日本受けしていなかったせいもあってか、ローカライズは完璧とまではいかない。カーラジオのおしゃべりも何となくしかわからない。

DSCN0277.jpg

だけど、アイテムを使うことで架空のルイジアナから本物を想像できる。

パッケージ版は観光パンフ風のでかいマップが封入。good!
↑