光と水のアドベンチャー! PS4インディーズゲーム「SILENCE」レビュー

街に警報が鳴り響き、雪遊びをしている子供たちの上空を爆撃機が覆う。
孤児院育ちの兄妹は防空壕に逃げ込むが、遊んでいたお友達は逃げ遅れてしまう。

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作りかけの雪だるまが崩れて、泣き顔のようにとけていく。

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窓から外を確認したお兄ちゃんが血痕を見つけてしまい、ピクッと一瞬反応して、妹を動揺させないように話題を変える。
映画のような「演技指導」の細かさだ。

泣きじゃくる妹を泣き止ませるため、お兄ちゃんは、周囲のぬいぐるみや靴下を使って、おとぎ話「サイレンス」に登場する「王」「ピエロ」「青虫」に仮装して、話をしてあげる。

その後、兄妹は本当に異世界「サイレンス」に飛ばされてしまう。

PS4のダウンロード専用ソフト「SILENCE」2980円のレビューです。
「SILENCE」製品ページ

息が詰まるような戦時下から、光にあふれた世界に開けた瞬間、
汚れた俺の身体まで浄化されそうになった。

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うん。画像を縮小したせいで顔の像がクッキリ見えて存在感が強すぎるけど、虹と清流が美しい。
左スティックで移動して×ボタンで気になる物を調べる、アクション要素のないゆったりしたゲーム。
ドイツ語やポーランド語フルボイス&日本語字幕など、珍しい設定で遊べる。

「サイレンス」世界に迷いこんだ兄妹だが、おとぎ話の内容通りだと、
王、ピエロ、青虫が冒険して、最後に「鏡」を割って全て解決するはずだ。
そしてお兄ちゃんが、この世界ではどうやら「王」らしい。

現実では平凡な少年が、異世界では選ばれし存在になっていて、特別な使命を果たす。
定番だけど、現実と異世界のギャップがあまりに大きい。

ゲーム中はどの場面でも光が射している。
照明があり火があり、暗くても陽が射していて、画面が変わるたびについついスクショ撮ってしまう。
戦時下の子供の話だけど、登場人物の気付かないところで常に何かに照らされている。

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仲間の青虫が、空気を吸い込んで風船になったり、逆にペラペラに変形できて、形態によって調べたものへのリアクションが違う。
水を調べて水風船に変形してコロコロ移動して、他のものにアプローチすると更に形状が変わって…と、
虫嫌いな人でもちゃんと受け入れられる可愛さになっていると思う。
(しかし変わったパーティだけど「イヌ、猿、キジ」的な、モデルになる物語があるんだろうか?)

キラキラしたサイレンスの世界で、怪しい仮面の「シーカー」に追われ、妖精的なヤツに翻弄されながら、
幼い兄妹は現実に帰ることを決意する。

そこがどんな暗がりでも、現実を選ぶ。
ファンタジーに逃げ込むより、現実に帰るために旅をする。
ずっと楽しげな画面が続くのに、メッセージ性がピシッと芯が通ってる。

ちょっと冒頭を遊びなおしているけど、
最初に靴下で青虫を演じるところで、ペアであるべきもの(兄妹)が離れ離れになる展開を暗示している。
映画好きが作ったっぽい!

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クリアまで数時間。トロフィーは蛇足。
今時の2980円するゲームにしては短いけど、「ボリューム不足」より「タイトな内容」と表現したい。

最終的に現実に帰るためのストーリーだから、延々と続くより、あざやかな光の印象を残して、短く終わるのが正しい。
終わったあとも、光に導かれた兄妹が成長していくのを想像できる。

俺たちのRPG。「メタルマックス」「メタルマックスゼノ」レビュー

草原より荒野。愛より賞金。
PS4最新作「メタルマックス ゼノ」をクリアしたので、プレイ済の1、2、4も振り返りつつレビューを書きます。



メタルマックス(MM)は、ファミコン末期のRPG。
ドラクエっぽい王道のファンタジー世界を舞台にしたゲームが多くて、「違うものないかな、同じようなものばかりだな」と飢えていたゲーム好きのもとに
「竜退治はもう飽きた!」
の文句と共に投下された。

ゲームを作る側の言葉なら、ふつうは
「竜退治はもう飽きてませんか?」のはずなのに
「もう飽きた!」
と、ゲームをやってる側の言葉で、思ってたことを先に叫んでくれた。

主人公は、安定した親の仕事を継ぐのを断って、刺激のある毎日を選んで外の世界に旅立つ。
勇者の末裔でもない。
幼馴染や姫様を救うためでもない。
ピンチになったら額に紋章が出てきたわけでもない。
「俺たち」といっしょ。
退屈な毎日を捨てて、田舎から外にでて、クルマを手に入れて行動範囲が広がった。
「俺たち」のままの主人公は、まさに退屈なゲームを放り出すように故郷の村を飛び出した。

それまでも、ドラクエの船、ファイナルファンタジーの飛行船、印象的な乗り物はあったけど、MMは序盤から極端に強くなる「戦車」をフィーチャー。
戦車は、5キロ運べるエンジンに、3キロ武器を積めば、残りの2キロ分「装甲タイル」つまり戦車の体力になる。
重い大砲を積んだらその分ガードが弱くなる。
壊れたら修理したり、弾が有料だったり、ときには「けん引」して運んだり、戦車の管理が面倒かつ面白い。

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代々登場するヤツ。画像は「ゼノ」から。

敵デザインも西洋ファンタジーと関係なくて、ドラクエのスライムにあえて対抗するような「殺人アメーバ」
「キャノンホッパー」「カバガン」「巨大アリ」
…動物と機械の合体みたいな敵が多いけど、動物実験臭はなくて、子供が考えたモンスターの延長にある。明るく生き生きしたデザイン。

各地のボスは「賞金首」になっていて、倒せば大金がもらえる。
感謝の言葉は当たり前で、仕事のぶんのカネはちゃんといただくきれいごとの無さ。
村人のセリフひとつにまでクセがあって、戦車を改造するのに性的に(?)興奮している奴がいたり、死んだらマッドサイエンティストの電撃実験で生き返る。
生きている仲間を連れてきたら
「なんだこの死体は!まだ生きとるじゃないか!」ときた。

やんちゃで知的でサービス精神旺盛で、ヘンなゲーム。
みんながドラクエやFFで盛り上がる中、このゲームをチョイスした自分! 流行よりセンスで選ぶ自分!
ヒット曲よりも、マニアックな洋楽をひとり聞き込むような、ちょっとした優越感!

そこまで売れてないのは感じるけど、その分「俺たちが見つけた俺たちのRPG」感があった。



スーファミの「2」は難易度高め、ブラックな描写多めの人気作。旅の理由が復讐なので少し重い。
1のリメイク版「リターンズ」はカラッと明るく、ボタンも増えたので戦車の乗り降りも快適。

間を開けて、携帯機で「3」「4」が発売。
4はこれまでの集大成と言える出来で、破綻寸前までイベントを詰め込んで延々楽しかったけど、発売前に「箱絵が悪い」と、かなりバッシングがあったそうだ。

このことで、プレイヤーは制作者に見限られたんじゃないかと思っている。
発売前に箱絵でバッシング。
店にメシを食べに行かず、他人が付けた星の数でおいしさを判断するのと同レベルだ。

かしこい人なら考えるはずだ。
食べてないからわからないとか、わざわざプロの仕事に悪口を言うのはやめようとか。

なにより、ちゃんと箱絵がヘンなのに、なぜ文句を言うのかと。
「ヘンなゲーム」だからこそ、むしろ「俺は買ってみよう」と食いついた人がいて、その人たちが応援の声を届けて続編に繋がったシリーズなのに、買う前から拒否反応起こされたら、作り手の士気みたいなのは下がるだろう。僕のように4が好きな人もいるけど、声援は関係ない人の罵声にかき消され、売り上げ振るわず。


最新作「ゼノ」は、おそらく4の失敗から方向転換している。
好奇心を持って面白さを見つけてくれるゲーマーは、もう和製RPGやってねえ!
面倒くさい部分は削って、「武器を撃って、アイテムを集める楽しさ」に絞った作品だ。

人類は滅亡寸前で残り数人。序盤の数時間は一本道で、失敗したときも即全回復の快適仕様。
敵には一発先制攻撃をかましてから戦いに入るようになり、場面によってはシューティングゲームみたいにザクザク砲撃してアイテムを拾う。
砲撃や、エンジンまでこだわった音作りで快感。画面がでかいからモンスターが伸び伸びしておる。

システムの解説を読めただけで「スゴ腕ポイント」なるポイントがもらえる。
少し進むたびにご褒美があって、行き先も示してくれて、今風というより、まじめにプレイせず野次ばかりのバカでも理解できるように甘やかしてくれた感じだ。その結果、展開はのっぺりしてフィールドがやけに広く感じる。

敵の弱点属性がはっきりしているので、硬い敵に、電撃や火炎放射器を積んでいろいろ準備して、1ターンで大ダメージを与えるのは痛快。

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見よ、この衛生的な環境。各地の街は全滅して、唯一の本拠地にはチリ一つ落ちてない。
仲間同士はごはんモリモリ食べながら恋バナ。修学旅行の夜か! 絶滅寸前の人類の会話として作られてないです。
生活は文明社会の置き土産である「なんかすげえ科学」でどうにかなっているのか、食料とか衛生面とか排せつとかは、まあ考えない方向で。

4の反動でキャラデザインをきれいにしたことで、ますます「人類最後」感は無く。
戦場より過酷な状況で女子はミニスカート。
人類滅亡をかけて協力する最後の数人同士で買い物している。

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今までのシリーズならおかしくないセリフだけど、人類滅亡寸前で誰にウワサされているんだろう。
大胆な設定と合ってない、いろんなツッコミ所を見えないふりして進む。たまにちょっとエロい一枚絵が出てくる。

めったにRPGをクリアまでやり通せない自分が2週目(イベントなしでハクスラ感覚で荒野をうろつくハンターモード)まで進んだ。
動く歩道にずっと乗っていたようなプレイ感覚だけど、ひどい出来とは思わない。過去作と比べるのも意味はない。

でもなんだ、この寂しさ。
新作が出るたびに何かしら驚かせてくれた「俺たちのRPG」。
あの鼻息の荒さはなく、衰えて声量のなくなったロックミュージシャンを見ているような寂しさ。

この路線を進めてもいいし、4までの路線でもいい。
何度も消えかけては復活した不死身のシリーズの意地で、もう一度、ゲームの刺激に飽きかけている自分を驚かせてほしい。


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ブラッドステイン Bloodstained イージーモードクリア時点レビュー

PS4他多機種で「ブラッドステイン」が配信された。
特性の違う4人のキャラを交代させながら戦うアクションゲームだ。

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PS4 Bloodstained: Curse of the Moon 紹介ページ

1人目はリーチが短いが使い勝手はそこそこの「刀」 昔のファミコンの「忍者龍剣伝」みたい。
2人目は「悪魔城ドラキュラ」「キャッスルヴァニア」シリーズそのものの「ムチ」。射程は長いが連射がきかないので、動きの速い敵にはタイミングをあわせないと。
3人目は攻撃力も低くリーチも短いが、ポイント使用で強力な魔法を使い、難所を突破可能な錬金術師。
4人目はドラキュラ的な人で斜め上に攻撃できて足元がお留守。コウモリに変身して飛べる。

万能な奴がひとりもいねえ! 4人の切り替え、4人の動き、4人の特殊武器。さらにルートも分岐するため攻略パターンが増える。
「最初の敵をムチで片づけ、切り替えて魔法で炎をまとい、切り替えて足場を飛んで…」
と、プレイヤーごとに突破法が変わる。

「ようするにここはこうすればいいんだね」
と簡単に正解にたどり着けない。
さらに、メンバーが欠けてもそのまま継続。相性の悪い武器なりの攻略法を見つけないといけない。

最先端の映像で「敵が上にいるのに横に剣を振る人」がいたらおかしいけど、ファミコン風の絵だとなんか納得する。
「こいつらができることは限られてる!俺の操作でなんとかするしかしょうがない!これはしょうがない!!」と思わされる。
あえて快適なゲームとは切り離された、限られた行動パターンでどう進んでいくかを死にながら模索していくストイックでマゾ的な喜び。

今時の横スクロールアクションで主流の、シンプル操作で派手に敵をけちらして進む快楽はここにない。
高いところからモノ投げてくる敵に届かねえ!
小さい足場で攻撃されたら吹っ飛んで即死!
ボス戦で死んだらわざわざ手前からやり直し!
ムチを振るっているのは自分なのに、こっちがムチで撃たれている気分だ。
ありがとうございます! 適度に痛気持ちいい仕置き、ありがとうございます! 足場からコウモリに突き落とされ、今までの苦労が水の泡。この苦労を越えたら、進めたときの喜びも増すという配慮ですね!ありがとうございます(?)

そしてボス戦と背景美術は、これはもう、俳句みたいな制限の美学。
グラグサ刺されてくたばる直前の巨大な敵が今、力を振り絞って相打ちにしようと攻撃してきたのね!それをあえて制限された色使いで表現しているのね!っつう、プレイヤーの想像力も借りたドット絵博覧会。お近くのテレビの大画面で(携帯機の緻密な映像で)ただいま開催中。

これは「あのころ」感じたゲームのむつかしさだと思ったよ。
昔難しいと感じたゲームをやってみると、ゲーム経験値が増えたのかあっさり攻略できたりするんだけど、そのゲーム経験値の増えた自分がもう一度苦しむくらいの難易度。
自分はスーファミの悪魔城ドラキュラ2作はクリア済みだけど、イージーモード以外はクリアできる絵が浮かばない。

これ作った人は、1000円のドット絵のゲームだからこんなもんでしょ、ってサクッと喰えるお手軽ジャンクフードみたいなもん作れるほど器用じゃねえな! ガンコ職人だ。恐れ入りまりがとうございます。

「ダメージ1」はわからんが、「気温1度」はわかる。「インパクト・ウインター」レビュー

昔流行った学園生活アドベンチャーでは、
「恋愛もせず平凡に卒業」がバッドエンド扱いになったりした。

こちらは、生きてさえいればいい。
「インパクト・ウインター」は荒廃した地球で、教会に避難した5人が30日を耐えるゲーム。

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非力なメンバーを代表して、外からアイテムを持ち帰るのがプレイヤーの役割だ。
チュートリアルは一気に説明されてわからんし(2週目だと理解できる)外は雪で真っ白だし途方にくれる。
その間も食料はなくなっていく。

寒さと疲れが想像できるのがつらい。
子供のころ、ドラクエで感動したとか、FFのセリフ良かったとか、キャラクターに共感した人はいても、
「残りHP1」になるたびにリアルな「ひん死」の人を想像して胸を痛めたりはしない。
「ダメージ10」が現実世界で何なのかもわからない。

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だけど、気温5度、たき火がいよいよ消えようとしている教会に閉じ込められて、水がなくて体力が落ちてきた。
これは想像できる!
「みんな震えてるんだ!状況を変えるには自分が動くしかない!」

と、ずんずかずんずか雪中行軍。
体力がどんどん落ちていく中で、雪に埋もれた建物を見つける。
廃墟探索のスリルと、大量のアイテムを見つけた瞬間がたまらない。

少ないバックパックに、水、薬、電子部品、スペースをとるけど何かありそうな本やレコード。
これらを持ち帰り、食ったり燃やしたりして命をつなぐ。

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料理が得意なウェンディには、食材を渡せば「仕事」ができる。
わずかに空腹をまぎらわせるだけの調味料が、スープやコーヒーになる。

サバイバル経験がある年寄りには、テントや狩りの仕方を教えてもらえる。
その中の会話で、動物を捕獲するコツを教えてくれたりして、「何やればいいのかさっぱり」のゲームに取っ掛かりができる。
「こういうこと?」
と慣れることが成長になる。

このゲームなんか深い! というか、深さが読めない。
「こうこうこうなっていて、こうするゲームです」
とあえて説明をしない分(単にチュートリアル下手な気もするが)自分で道を切り開いている感がする。

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高難易度「エキスパートモード」は1回死ぬと最初から。
天候が悪化すれば現在地を見失う可能性もあるし、どこで引き返すかの判断がより重要になる。
何も持ち帰れなければ全員が飢える。
それだけのリスクを負っての廃墟探索。

慣れてくると(慣れてないけど)
中継地点のテントで暖を取りつつ、マイナス60度の極限地帯から大切なものを取ってくるとか、危険なミッションで仲間の過去がわかってくる。

食料を消費する足手まといに見えたメンバーが、雪に埋もれた大切なものを渡すことで「人間」に見えてくる。

生きているだけでもハッピーエンド。
そのうえで、それぞれの趣味や仕事が、命をつなぐ。
食料を消費するだけの足手まといはいない。
ゲームそのものが人間賛歌だ。



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デジタルイワシは生きている! PS4「ABZU」レビュー

3月にクリアしたゲームはこれ1つ!PS4ダウンロードソフト「ABZU」だ!
花びらになって各地に花吹雪を巻き起こす「フラウリー」、
ネットで繋がった誰かと砂漠を歩く「風の旅ビト」のスタッフが関わったダイビングゲーム。

どれも、美しい風景で魅せて、ストーリーはプレイヤーの想像にまかせる作風。フラウリーを初めてみたときは
「PS3で主人公が花びら1枚だと! こんなゲームありなのか」
と、少なくなるソフト数の中で、ゲームの新しい方向性を感じた。

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ゲームは、主人公のダイバーが目覚めるところから始まる。
海中に突っ伏しているところから目覚めるのだ。つまりサイボーグか、神か、死者で、普通の人間じゃない。
R2でもぐって、×で加速して、サンゴや魚とすれ違う。
魚につかまると、移動が速くなったり、イカはちゃんとスミをはいたり、それぞれの反応を見せてくれる。海は青と黒ばかりじゃない。黄色や緑のまぶしい海だ。

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文明もある。この世界では機械は「下向き三角形」でデザインされている。謎の警報装置のようなものが浮いてたり、ケーブルもよく見ると丸くない。
主人公のスーツも三角形がデザインされている…ということは、主人公はロボット?
だけどこいつ、瞑想する。場所によっては座禅を組んで、周囲の魚の視点に切り替えることができる。

一番テンションが上がったのは、スター性のあるクジラやダイオウイカよりも、イワシの群れに突っ込んだとき。
「フラウリー」で花吹雪がぶわっと巻き上がるところも綺麗だったけど、イワシ吹雪はもっと凄い。なんせ花びらと違って全匹生きてる。命がいっぱいだ。

どうせゲームキャラだから命は無い?
でも、プチプチは気軽に潰せるけど、ぬいぐるみの首ははねづらい。
命があるかどうかと、命を感じるのはまた別だ。

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ICOは2人で進むことが重要だったし、他もたいてい1人(プラス敵たち)で、孤独の中をしっとり味わいながら進んでいくイメージがある。
ABZUが他の多くの「雰囲気ゲー」と違うのは、命の数。
何も考えずに魚を眺めて音楽にひたるだけで安心感というか幸福感というか。
危害を加えるものはほとんどいない。画面中に命がいっぱい! いのちいのちいのち!の鮮やかさに圧倒される。

なのに、主人公は生きているのかすらわからない。少なくとも呼吸をする必要がないし、感情はなさそうだ。魚とたわむれて嬉しそうにしない。
途中で、やはり人間じゃないことがはっきりするシーンがあって、ちょっぴりの寂しさと、プレイする人によって自由な解釈が生まれる。海は命にあふれ淋しい。


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