FC2ブログ

奥田英朗「罪の轍」がおもしろすぎてもう。



グミ噛んでページめくってグミ噛んでページめくって気付いたら朝か・・・。それが俺のお盆。至福。
少なくとも8月いっぱいはこれ一冊で他のことをやる時間はないと思っていたのに2日で半分くらい終わってしまった。

オビに書かれている程度の内容紹介をする。
前回の東京オリンピックの前年に、子供が誘拐される小説です。
凝ったトリックがある緻密なミステリーというよりは、人間ドラマが軸で事件もある、という感じ。

トリックがオリンピックと関連してくるのかすらわかってないけど、この内容を2019年にぶつけてくるのは、何か問いかけがあるのでしょう。

オリンピックでの前年だけど、庶民の話です。群像劇です。
奥田作品によくある形式で、事件につながりそうな男と、刑事サイドの人間、それぞれの視点で進んでいく。
東京は世界一の公害の街で、ラジオも電卓もカラーテレビも高価なものとして紹介される。
山谷のドヤ街に、オリンピック特需で肉体労働者が日本中から集まっている。
イベントを楽しみにする雰囲気じゃない。

「なにが来年はオリンピックだ。のちに国民みんなが祝福して盛り上がったように報道されるかもしれねえが、現実はこんなに冷めてるぞ」
って皮肉がある・・・・ような気もする。後半にはどうなるのか知らないけど、登場するのは労働者やヤクザが多くて、上の人たちだけで盛り上がってるオリンピックを祝福する感じになるとはとても思えない。

捜査がアナログだった時代のハラハラ感もいい。
誘拐事件で犯人から連絡があって、逆探知とか、身代金の話とか、できるだけ会話を長引かせるとか、今やコントでしか見ないことを真剣にやっている。

作中の説明では、日本での「誘拐」は、家庭に電話が普及したこと、
黒澤映画の「天国と地獄」がヒットしたことで模倣された新しい犯罪だ。

ことによると犯人側も、リスクが大きすぎて割にあわないことすら知らないんじゃないか。
犯人も警察もなんかバタバタ右往左往して、この時代の誘拐事件にしかない緊迫感がある。

読書日記「砂の女」→「罪の轍」

年をとると、むかしは面白くなかった勉強が面白くなってくるというけど、自分にもそんな時期がきたのか。
古典的名著とよばれている小説を手にとっては読んでいる。
「砂の女」が面白かった。名著って、考えさせられるんじゃなくて単純に面白いから読み継がれてきたんだと、今さら気付いた。

アリジゴクの巣みたいな住居で主人公が働かされて、「モッコ」で荷物が配給されるんだけど、
「モッコ」ってなんだ。わかんねえものに荷物が入ってくるなあって思いながら読みきった。



さきほど、昼間寝すぎてこのままだと夜がつらいんで散歩がてら本屋に入ったら
奥田英朗の「罪の轍」って長編ミステリが平積みしてある!
ちょうど、何年もファンだった人の新刊が、久しぶりに分厚い小説を読める気持ちのときに置いてある!



ハードカバーの小説自体、しばらくぶりで、買って帰るまで「これはへたすりゃ来年になったりして」と、思いつつ、たまにはどっしりした娯楽に浸るぞーって気にもなってるわけ。

本の中央のページに栞のヒモがあるのを、うっかり先を読まないように引っ張って取り出したりして。
「この感じこの感じ」
つって読み始めたら、時代が「砂の女」と同じ、まえの東京五輪の少し前で、導入部でコンブ漁をいとなむ若者が「モッコと呼ばれる木の箱」を使っていた。

モッコじゃねーか!
モッコがどういうものか何となくイメージつかめた!
嬉しくなったんだけど誰とも共有できそうにないぜ。

↓本当は買おうと思っていた本

ユアストーリーは観てないけど

山崎貴監督が手掛けた「ALWAYS」原作の西岸良平「三丁目の夕日」は好きで、コンビニで売ってるお手軽まとめみたいな単行本じゃないコミックスを本棚横2列くらい、ずらっと揃えてました。
こち亀の少年時代の話を読む感じ。
いや、きったない駄菓子屋がまだギリギリ残ってた地域に住んでいたので、もっと共感しやすかったな。

原作では田舎から状況した男の子が、映画では美少女になって、まるちゃんのお父さんみたいな憎めないお父さんは、喜怒哀楽の激しい昭和のお父さんにアレンジされてます。絶滅危惧種に指定されてるやつ。


興味もったんで山崎監督の経歴を見ると、この人スゲエっすね!
ドラ泣き、クレヨンしんちゃんの実写のやつ、寄生獣、キムタクの宇宙戦艦ヤマト、ドラクエユアストーリー、次はルパン三世。
日本人の好きなものに一通り手をつけていく。

どれも、大切にしている人が大勢いる作品、長い作品から、エッセンスを2時間ぶん抽出するというよりは、2時間におさまるダイジェストみたいに料理する。

毎回原作ファンが激怒してると聞くけど、それでも次を作る。

「こんな映画化は認めない!そもそもこの作品はだな。。。」と原作ファンがラジオで語る。文章に記す。コンビニに本が並ぶ。映画きっかけで作品の魅力を知った人がいる。
そこまでの一連の流れを計算しているかのような節操ないチョイス。

映画を観ても映画が終わらない。原作どんなんだっけ、と思い直し、改めて作品について語り合い、あらためて原作の偉大さを知って、ようやくユアストーリーが完結する。

有田と週プロとF、配信開始

アマゾンプライムで「有田と週刊プロレスと」ファイナルシーズンが始まりました!
くりぃむしちゅー有田が、週刊プロレス1冊をもとにその場でプロレス知識を披露する、現代版の講談。

ってファイナル・・・!?
いや、でもこの番組で学んだから。「引退宣言は撤回するもの」と。
人を喜ばせるための裏切りや反則はウソにはならないと。


今回はプロレスを語る以外に「2択でどっちが好きか選ぶ」コーナーもあり。
「反則技は、イス攻撃と急所攻撃どっち?」といった2択質問に直感で答えて、あとからその理屈を考えていく。

おもしろかった質問は
「レスラーの体重表記は、ポンド、キロ、どっちが好き?」


有田は「ポンド」と答えて、そのあとで、理由を言葉にしていった。

プロレスは非日常を楽しむものだから。
キロよりも、よくわからないポンドで紹介されたほうが、異世界の住人であるレスラーの謎めいた感じに合うと。


なんて面白い考えかた!
たしかに、ゲームのファンタジー世界で「円」は使わない。
異世界では当たり前に使っているらしい単位から、非日常が香る。

大蜘蛛ちゃんフラッシュバック1巻無料

1巻が無料配信されていた「大蜘蛛ちゃんフラッシュ・バック」をまんまと全巻買ってしまった。


あの、衝撃だったんですよこれが。
学園マンガで、イヤな奴のいない部活で、女子たちと楽しく活動する。
「究極超人あ~る」を知っていれば、あんな感じと思ってもらってかまわん。ちょっとエッチなイベントもあるぞ。
そういう古典的な、ちょっとオタクの理想郷っぽい世界。

学園まんがには、スパイスとして「じつは主人公やヒロインが超強い」とか、変わった部活だとか、なにかしら独自の設定があるけど、大蜘蛛ちゃん~の場合はそれが変わってて
「主人公がお母さんをちょっと好き」
っていう。何それ!?

ヒロイン候補が実母。
妹がダメな僕もさすがに「マジか!」ってなりました。

さえない主人公になぜか学園イチの美少女が世話を焼いてくれたり、
主人公の家に義理の妹と母が押しかけてきて同居することになったり、
ご都合主義な設定があるじゃないですか。
大蜘蛛ちゃん~ではそのへんの理由付けはバッチリです。

Q「なぜヒロインがかまってくれるの?」
A「まあ、産んだし」

Q「なぜヒロインが同居することになった?」
A「もともと同居」

ありがちな「夏祭りに行ったら浴衣姿の女子と会った」ってイベントも、
このマンガでは「母さんの浴衣姿が見たい」だし、

体育祭では、クラスメイトの体操服姿そっちのけでお母さんと手をつないで走ったとか、
「何それ!?」

ただ、これがド変態の読む漫画かと言えばそうでもなく、むしろ空気はちょっと昔の学園マンガふうで、わりと健全。
親と、クラスメイトの異性の話をする場面も新鮮だ。
あと、ぼくの好きな「背景にどうでもいいことが細かく書いているマンガ」でもある。

とりあえず、今なら1巻無料。母ってとこはともかく、ヒロイン造形的には正直好きなんだよな・・・

↑