80年代カルチャーへのドット絵ラブレター PS4「crossing souls」レビュー

80年代カリフォルニアに不穏な嵐。
雷が落ちて、クリスは親に隠れて進めていたNES(海外版ファミコン)を中断するはめになった。

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ビデオテープ風のノイズが乗ったカートゥーンで始まり、
主人公の部屋には、パックマン、スライム、マイケルジャクソン、インベーダー。
祖父は軍人、ママは「ハウルの動く城」らしき作品を執筆中、パパは元プロ野球選手。
ちょっとしたオブジェを調べるとしっかりコメントが用意されていて、左上の顔グラフィックも細かく動く。

おいおい、マジか。この作り込み。

父の魂であるバットを振り回しながら、天才科学者の血をひく友達、アル中の父とワゴンで暮らす女の子、バスケ選手に憧れる黒人少年ら、仲良しメンバーが夏休みの冒険に出かける。
つまり、スタンド・バイ・ミーで、バックトゥザフューチャーで、グーニーズで、ゴーストバスターズで、
町にはダイ・ハードっぽい人がいて、ポルターガイストで苦しむ家庭があって、ゲームセンターではコナミコマンドやコーラの起源の話。

あのころ愛した作品たちへのドット絵ラブレターが、画面いっぱいに広がって圧倒される!

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たぶん、背景のポスター全部に元ネタがある。

同じ本でも、キャラクターを切り替えて調べると違う反応をしたり、放置してたら退屈そうにボールで遊びだしたり、一人づつやられモーションがあったり。音楽も、楽しい夏休みの予感しかしない。
お堅い校長、パントマイマー、カンフーの達人風アジア人、秘密がありそうなホームレス。
戦うのか和解するのか?紫ジャケットの不良少年たち。
みんな手足長めでよく動く。日本ゲームの可愛くて緻密なドット絵キャラとは違う文化圏のドット絵キャラたち。

80年代の楽しいもの全部入りの町。開始直後のワクワク感なら年間ベスト級ゲームだ。

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そして、仲良しグループは世界を脅かす秘密を知ってしまい、旅に出る。
強大な軍隊を持つ大人達を出し抜いて、仲間を思う気持ちと、それぞれの特技で戦う。

シュワちゃんやランボーのそっくりさんネタを連発するだけでもファンは喜びそうだけど、ストーリーは意外とシリアス。
ヌルいパロディに頼った楽しさより、
「ガキが世界を救う物語」を照れずにやっているのがいい。

アクションは評価の高い「hyper light drifter」と同じ制作ツールなのか、感触がそっくり。チマチマ系だけど、敵を倒した感が気持ちいい。

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そして、ここから若干落ちることに触れざるを得ない!
この「80年代へのラブレター」。愛情はこもっているが、ここぞって場面に限ってスベってる気がする。


中盤で、僕も大好きな「バックトゥーザフューチャー3」のオマージュがある。
一定のスピードになると起動する車型タイムマシンに乗り込んで、線路で加速する名シーンだ。
充分に加速して時空を越えなければ、そのまま途切れた線路に突っ込んでしまう!

そこで唐突に「車をボタン連打で加速させるミニゲーム」が始まる。
なんか…センスを感じないというか(ボタン連打は80年代かもしれないけど)
盛り上がる場面で微妙なミニゲームを入れてくる。

グラフィックや音楽に比べて、ゲームの醍醐味である謎解きやボス戦のクオリティがそこまで高くない。
豪華食材を見せられたあとで、これからどんなメインディッシュが!?と待ってたら、サラダだけ出てきたみたいな。
配信直後だからか、地形に引っかかって進行不能とかしょぼいバグも何度かあった。

そして、賛否両論ありそうなストーリー。
個人的には評価したいけど、
冒頭の楽しさでテンション上がって、この町楽しい!ずっと見ていたい!と思うぐらいだったけど、本当に最初がクライマックスだったような。この気持ちをどうしてくれる。一旦好きになっちゃった登場人物たちの行方が気になるぞ。あいつも、あいつも、あの人も、あの人も。




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PS4「FIREWATCH」レビュー 潰されそうな静寂の中で、生き伸びるためのジョーク

題材も、会話のセンスも、ザ・海外のインディーズゲーム!だった「ファイアウォッチ」。

80年代。家庭に問題を抱えた中年男性ヘンリーが、逃げ出すように選んだ、山火事の見張り業務。
プレイヤーは主観視点で、見張り台でのひと夏を過ごす。

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他者との関わりを捨てたヘンリーの前には生活用品と、本と山。
ヘンリー視点だから、自分の顔すら見えない。
ゲームの中に「顔」がない。

多くのゲームは登場人物の「顔」を重視するけど、このゲームでは顔を出さずに「持ち物」で人を表現する。
山を歩くとキャンプの跡があって、ビール缶が大量に捨ててある。
そこにいた人にとって、必要な荷物が「ビール」だった。

「無人島に1つ持っていくなら何?」
って、答えで人間性を見る質問があるけど、
「孤独の中ですごすのに何を持っていくか」
で人を表現している。
この人はリュックのスペースにこれを入れたんだな、と思って小物類を見てほしい。
ゲームの進行に関係ないけど、ひとつひとつを手に取って見ることができる。

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他者をもっとも近くに感じるのは、近くの見張り台の女性と通信するときだけ。
山を歩いて動物の痕跡を見つけるたび、崖やキャンプの跡を見つけるたび、L2ボタンを押して返答。

他愛もない軽口を言いあって、未完成の地図を手にぐるぐる迷う。
欧米人は、追い詰められたときこそジョークを言う、とは聞くけど。
互いに顔も知らない男女が、この崖になんて名前をつけようとか、どんな顔をして、何があってこの仕事についたのか、とかひたすらジョークを言いながら山を歩き回る。
ジョークなんて直接的に役に立つことはないけど、それでもないと、今の環境を直視するとつぶされてしまう。

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ヘンリーは家庭の問題を先送りにした。
プレイヤーだってそもそも、みんなと騒いだり、オリンピックを観たり、モンハンワールドをするんじゃなくて、このゲームに何かひっかかるものを感じて、買ったということは
「パーティーより孤独を選ぶ人」だろう。
それでも、本当にひとりになったら生きていけない。

わざと楽しさを抑えて、ちょっと人生について考えてしまうような、静かで存在感のあるゲームだった。



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「日本のお笑いは劣っている」結局、茂木ツイートに芸人は反論できるのか「世にも奇妙なニッポンのお笑い」


冒頭で茂木健一郎のツイートが紹介される。
「日本のお笑いは欧米のように社会批判の要素がなくて劣っている」
このツイートきっかけで一冊の本ができあがった。


「世にも奇妙なニッポンのお笑い」


チャド・マレーンは、吉本初の外国人芸人で映画翻訳家。

交換留学で知った「ガキの使い」に魅了されて通った、関西のお笑い養成所。
学費が1年分一括払いだった。
今は半年分づつ払える。
「面白い」と言われて入ったほとんどが、本当に面白い人が多すぎる現実に折れて、半年以内に辞めるからだ。


大阪は世界一の芸人密集地地帯。オーディションの制限時間も短い。
2分で、1分で、他の芸人と違うどんな笑いができるのか示さないといけない。
そんな環境でふるい落とされて、生き残ったネタは緻密かつ細分化されている。

欧米のスタンダップ・コメディは、話題は人種、宗教、政治、下ネタ。
ゆったり時間をとって喋るので大人っぽい笑いに見えるが、日本のお笑いを経験して見ると、笑いのバリエーションが少なく感じるらしい。

「ガキ使」は、勝手にYouTubeにアップされて、国境を越えた有名番組になっている。
人気があるのは図書館で声をひそめて罰ゲームをする「サイレント図書館」。
スペインでは毎週この企画だけの番組が始まった。
長寿番組のワンコーナーが、他国ではひとつの番組になる。言葉の壁に阻まれて伝わっていないが、日本の笑いの多彩さ、企画力は圧倒的だ。


陣内智則は、自分のセンスで世界に挑戦したいと、ほぼ日本のネタそのままでロサンゼルス、ラスベガス公演に挑戦した。その意気込みに共感してネタの翻訳をしたのがチャドだ。

「ドライビングシミュレーター」のネタでは、道路の映像が流れて、横で陣内はハンドルを握っている。
チャドは、映像を左右反転させて右側通行にした。
「ジーンズメイト」ばかりの道は、アメリカによくある「J.C.ペニー」ばかりの道になった。

道路を車が横切る。
通り過ぎたので発車しようとすると、今度は長い長いトレーラーが横切る。
それだけで笑いが起きて、陣内のツッコミでもう一度ウケる。

日本版から変えたのは「なかなか売れない犬がいるペットショップ」だ。
ロサンゼルスでは犬猫の販売が禁止されて、ペットショップは里親探しの場所になっている。
「売れない犬」がネタに入るだけで、客は引いてしまう。

ペットショップの場面をカットすることは、客にこびたり、陣内のセンスを曲げることにはならないと判断した。
お笑い翻訳の仕事は、単にネタを英訳するだけじゃない。
「笑わせたい人と、笑いたい人」の
幸福な関係が成り立つように、ひっかかる所を取り除く作業だ。


もちろん日本の笑いを持ち上げるだけじゃなく、アメリカの即興コントの世界、日本ではほとんど知る機会のないようなコメディアンたちが次々紹介される。

世界の笑いを知るうちに、日本と欧米を雑に比較して「こっちはダメ」「こっちがいい」で終わりにするのが、もったいなく思えてきた。

この本は、茂木さんへ噛みつくことなく、もっと多彩な笑いの世界を観てみませんか?と読者に提案するかたちになっているのが気持ちいい。
多様な文化を認め合おう、という今の世界の流れとも一致している。
「ハッ、なんで僕らは、笑いのことでいがみ合っていたのだ!」
と、読後に世界が少し広くなる。

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ケータイとタブレットの2台持ちになる。

ケータイのパーツが弱っているので機種変しに行きました。
そろそろスマホだろう。

時代に抵抗して反スマホでいたのは
「難しそうだから」
ではない。
「使いこなし過ぎそう」だからだ。

文字が読めるようになったとき、
自由にゲームが買えるようになったとき、
ネットが通じたとき、
忙しくなったとき、
動画がストレスなく観られるようになったとき、
そのたびに自分と娯楽との付き合い方は変わった。
NETFLIXと契約して、CDやDVDも買わなくなった。お手軽パズルゲームに何千円も出してたころが思い出せない。

その次は、
「ゲーム買わなくても無料のやつで充分」
「本を持たなくても電子書籍でいい」
の時期が来る。

けど、自分は昔、どん詰まりの精神的引きこもり期があったのね。その時期にゲームと本に慰められて過ごしたから、このふたつとの付き合い方だけは変えたくない。
出先で分厚いハードカバー読みふけってる人がどんな見られ方してるか知らないけど、そうしてきた。


…とかいろいろ思ってた割に、電子書籍に適したタブレット買ってきちゃったんだけど。

会話しないでネットだけ使う人は、スマホじゃなくて「ケータイ+タブレット」の2台持ちにしたほうが月々の料金ぐっと安くなるって言うんだもん!ショップのお姉さんが!専門家が!
ハイそうしますと素直にサインしてこうなった。

まあ、今のところ、
「逆に本の重みすげえ」「コントローラって気持ちいい」ってなってる。逆にね。逆にね。
人間そんな簡単に変わらないもんだな。

名前だけ知ってた任天堂のスマホアプリや、ガチャで美少女出すゲームが、一気に目の前に解き放たれた。
猫育てたり、かえるに旅させたり、パズルボブルみたいなのとか、いろいろ、アンドロイドでできることはタブレットでできます。
ゲーム序盤は易しかったのが急に難しくなったり、キャラクターに突然ゲームの評価を聞かれたり、ハードが変われば内容も変わる。
いわゆる3マッチパズルでも「猫のニャッホ」とか凄いクオリティで、目がぎゅーって疲れるまでやってた。

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パズルをクリアして部屋を豪華にしていく

スマホと違って片手に収まらないので、カードやキャラクターを集めるゲームは「手に入れた感」がなくて、
やってみればハマるんだろうなと思ってたものは、「ふーん、こんなもんか」だったりして、いろいろ面白い。

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「キングダム:ニューランド」プレイ日記 2つ目の土地で防壁を築く


導入が美しいキングダム。1つ目のステージは安定してクリアできるようになったけどまあムズイ!
王冠を受け継いだ主人公は荒れ地にキャンプを張り、コインを落とすことで雇用、防御を指示する。

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ステージは毎回ランダムで、地面が盛り上がってるところにコインを出すと防壁が築ける。
岩があるところにコインを落とすと、弓兵が立つ砲台?ができる。

しばらくすると左右どちらかから、敵がぶわーーーっと群れで来る。本拠地まで攻め込まれるともう「やり直した方がよくね?」ってくらい一切合切奪われて、兵士たちは意気消沈して再び金と弓を買ってやらないと働かなくなる。

そうなる前に、どう敵を撃退するか。

攻略法は手探りなんだけど、おそらく「砲台と防壁が並んだ場所」をうまく使うことで!どうにかなるのだ!と思う!!
敵が壁を体当たりで壊す間に、近くの砲台から弓兵が攻撃する。砲台と壁の位置関係によって効率よく撃退できるか変わってくる。

自分で作った壁にはじかれて矢が届かないとか、砲台に立たせた兵士はずっと固定されるので、移動してコインを取ってくることもできない。
敵一匹くらいなら、撃退しなくてもあらかじめコイン1枚落としておけば、敵はそれ持って帰っていく。

砲台をトンカン作ってる最中に夜になって、無抵抗な建設係がやられたりしたら、
意気消沈してる兵士を呼び戻すのと、トンカチ1つに計4枚のコインがいる。

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本拠地が発展すると強力な「投石器」や「農具」が製造可能!
投石器は壁越しに撃てば強力だが、作って押して、前線までもっていく間に壊されたらアウト。
農具を買い与えれば勝手に土地を耕してコインを稼ぐことができる。

何をどのタイミングで投入するか。
夜になる(敵が来る)前にどこまで進めるか。昼間のうちにすべきことは、探索か建築か。
時間と距離、次に敵が来る方向を考えながら行動する。

なんていうか、ゲームデザインの美しさっていうんですか。難解で深いゲームはたくさんあるけど、シンプルで深い。
やるたびに「あ、わかったかも」と少しづつシステムを理解していく。毎回やられる。

システム言語を日本語にするとデータが消える不具合は継続中。(俺だけなのか、みんながモンハンやってるから話題にならないだけかわからない。)



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なんで映画館で?と思わせてからの素敵ロードムービー「ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE」

太川、蛭子、女性ゲストの3名で、まったりと、時に駆け足で目的地を目指す「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」映画版。

元々「池の水ぜんぶ抜く」みたいな小規模番組だったけど、有名になることで周囲が親切になり、無礼な蛭子発言にも一般人がやさしく接してくれるようになり、番組の緊張感は失われていた。
が、映画では舞台を台湾、ゲストに三船美佳を迎え、これまでのぬるい空気感を一旦リセット。
さらに、台風直撃、確認が不十分だったため高速道路に入るルール違反で足止め。序盤から苦しい展開になる。

バス車内で雨漏り、やや潔癖の気がある蛭子さんが本気で地元の民宿を嫌がるなど、
「親切にしてもらってるのにこの人はもう!」と口に出そうになる展開。
序盤はずっと豪雨の中で立ち往生。その中でなんとか地元の人たちに串焼きをもらったりして楽しみを探す。

日本なら文字情報や駅員さんの対応(親切ではなく)だけで旅ができそうだが、間違いなく「人」がいなければ初めから行き先がわからなくなる旅。

傘があっと言う間にひしゃげる豪雨の中を歩き、疲れが見える面々の前に、日本語ができる年配の女性が現れる。
「エビス!」と顔を見ただけで笑われ、僕らどう見られてるんだろう、と苦笑い。
そして三船美佳を紹介するのだが、
「三船敏郎、知ってますか、三船敏郎の娘です」
と聞いた瞬間、笑顔だった女性が目を輝かせる。

知ってる!台湾の人、みんな知ってるよ!

三船美佳は「三船敏郎の娘なのに、こんな感じ」のタレントだ。
彼女が有名になるほど、「ミフネ」の名は、邦画史に残る大スターの一族というより、親しみやすい、ちょっと軽い感じになりつつあった。
だけど、三船の名を出したとたんに、台湾のおばちゃんの反応が変わる。
不慣れな土地で散々な目に遭っている娘を、亡き父の威光が照らす。

好きなのは、精巧な純金の像が展示されているのを見るシーン。
天井まで精巧な金細工の部屋に太川、三船が圧倒される中、蛭子さんだけが像の前に「アメ玉」が籠に盛られているのに気付く。
「このアメは取っていっていいやつなのかな…?」
と思うところだが、蛭子さん、解説の人にろくに確認もせず口にいれて、
「ひとかたまりの金より一粒の飴」
なんか名言っぽく言ってるけど、なんだそれ!

日本と距離感があることで、より自由に悪口を言える蛭子や
3人を知らなくても純粋に親切にしてくれる人たちが印象的。ちゃんとテレビとは違う見ごたえのある、映画になっている。



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水道橋博士「藝人春秋2 上巻」で今さら照英のファンになる。

週刊文春が責められている。
生きてれば誰でも起こすような過ちをさらけ出し、人の一生を狂わせるゲスな奴らだと。
どうでもいいことで騒ぎ、人を疲弊させて休業、引退に追い込むハイエナだと。

水道橋博士「藝人春秋2」上巻は、
まさにその文春を硬派な雑誌から「今のかんじ」にした張本人との会議で始まる。

連載を始めるにあたり、取り上げるべき人物を問われると、水道橋博士の宣言。
「ハシモトを撃つ」
橋下徹。
同じ事務所のデイブ・スペクターに見いだされ、SNSとバラエティ番組を巧みに使って権力者になった。
関西で絶対的な影響力を持つ「島田紳助」「やしきたかじん」「辛坊治郎」を味方につけ、セクハラ発言は無事に爆笑問題がフォローした。
悪い所だけピックアップしたにしろ、やり口の数々はたしかに「フェアじぇねえ!」ぐらいは思わされるし、関西の「オモロイ奴至上主義」への警鐘にもなっている。



装丁がなぜ「007」オマージュなのか。
芸能人本を装った、謎の組織「芸能界」のスパイ報告書だからだ。
このやり口どうなんだ、彼の素顔はこうでしたと、芸能人の裏の一面、底の良心をさらけ出し、007の悪役と同名のデイブ「スペクター」の陰謀に迫る。

人間の「本当」を知りたい。
知った以上は書くしかない。
それだけ。
惚れ込んだ男のこと。ゲスな自分にも認められない男のこと。
裏の顔を知らないふりして、表面的にへらへら付き合うのは性に合わない。

高級車で繋がるビートたけし、松田優作、ビル・ゲイツらの縁。
出る側に立って思い知らされた、みのもんたの無尽蔵なエネルギー。
長い間芽が出なかった愛すべき後輩、芽が出る気配もないのにしぶとい三又又三。

印象的なのは「照英」
ドロッとした読後感になりそうな芸能界本で、掘っても掘ってもナイスガイの彼。
かつては水戸黄門のレギュラーや戦隊ヒーローだったが、今はテレビ仕事を控えて子供たちに地球儀を買い与え、まるい地球を見せて回る旅をしている。
語りに熱が入って、自分の話で泣きだす照英。走る姿はシェパード、潤む瞳はパグ犬だ。

芸能界を干されるリスクをおかして書いた、石原慎太郎編、橋下徹の後編は下巻にまわされる。



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PS4「KINGDOM:new lands」の導入部はどんなゲームよりも美しい

馬に乗った男(か女)が左から右へ、流れるように移動していく。
あわせて背景のタイトル「KINGDOM」のロゴが崩壊していく。
そのまま王様の幽霊に指示され、金貨を落とすと、その場にキャンプができる。

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PS4で配信された「キングダム」導入部が美しすぎませんか。
王冠をかぶったキャラクターが走ってタイトルが崩れ落ちるワンカットだけで、主人公は崩壊した王国から逃げてきたのがわかる。
チュートリアル役が王様の幽霊だから、父だか祖先だかの霊に導かれて王国を再建しているんだ!とわかる。サブタイトルがニューランドだし。

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毎回変化するマップで、操作は、左右移動と、コインを落とすぐらい。
何をするのか、どこに金を出すとどうなるのか、繰り返しで理解していく。
部下に弓矢を買ってやると、動物や敵を狩る(当たらん)
ハンマーを持った部下に、木や土を指示すると加工を始める。

細かいドット絵で拠点をチクチク広げるのも面白いけど、いきなり大ざっぱに進めても何とかなる。

今のところ、最初のマップはクリアできたんだけど、何の役に立つのかわからない建物や人がいっぱいいる。
ゲーム世界に放り出されて、ルールを理解すること自体が面白い。
ゲームオーバー条件?ゲームオーバーになったらわかる。
クリア条件?探索してたらなんとなくわかる。

ダークソウルなんかも同じだと思うけど、適度に不親切。
祭壇があったので、金を捧げたら光ったんだけど、これは、うむ。わからん。…おい、これ何?
調べればすぐ分かるんだろうけど、だんだん理解していくのがいい。この感覚、新鮮なようで懐かしい。

ところで、1月28日現在バグがあって、PS4のシステム言語設定が日本語だとセーブデータが削除されてしまう。英語にしないと進めない。
最小限の言葉しか使わないゲームなので、英語でも問題ないぞ。

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作中ゲームをあえて出さないことで原作再現したバラエティー版「カイジ」

俺も気づいてた!
「限定ジャンケンって実際にやるとつまんないのでは…」
って気付いてた!

PSVRの「鉄骨渡り」を見て、
「これ、本当は安全って意識をぶっとばすぐらい迫力がないとダメなんだ」
って気付いてた!

「カイジ」を再現するのに、作中ゲームをそのままやってもダメなんじゃ…って気付いてた!



借金を抱えた参加者を募って、原作の「世界観を」再現したバラエティー版「カイジ」。
全く期待してなかったのに面白かった。

原作の醍醐味って、ゲーム自体は単純なんだけど、極限状態に追い込まれることで、いろいろ考察が始まって、何気ないヒントから解放をひらめくカタルシス!
ゲーム自体は単純だけど実は深いルールに潜っていく感じ。
だけど実際に一回勝負で作中のゲームをやっても、あんな盛り上がる展開にはならないよね。


そこでバラエティ版カイジ。
いきなり命綱無しで「鉄骨渡り」再現。
下にクッション的な用意はしているんだけど、夜だから見えない。安全な奈落。
初見ならエグい場面も「これ原作再現だから!」と理由付けをして、一般人にやらせることができた。

また、テレビだから絶対安全にしてくれてるはず、とスタートダッシュで行く奴、
それはわかっても踏み出せない方にわかれる。
バンジージャンプで最初に考えちゃうと行けなくなるのと同じだ。

敗北しても損のない「芸人枠」があることに、観る前はどうかと思ったんだけど、
芸人さんたちは「これはテレビで絶対無理」と知っていたから、
「マジで!?えっ、マジでか!!」
って、作り手の正気を疑うように叫んでいて、みんな背中を押せそうで押せなくて。

それら全てが原作っぽくて、この時点でもう、成功!
叫びと参加者の表情は、ある意味実写やアニメも越えて、初めて完全に原作を再現してる気がした。
鉄骨の長さ。幅。何度も何度も黒服がテストして、ひどい目にあった末に決めたんでしょう。ご苦労様です。実際にやるとカニ歩きになるんだな。





地下生活再現パートで、
「あ、これやるんだ」
と軽く笑いも入れて、最後のペリカすごろく。

途中に「誰か一人を指定して戻す」コマがあって、
「100万出すから」「じゃあ200万」と、自然に交渉が始まった瞬間、まさにざわっ…とした。

イベントマスは「水を飲んだ量に応じて金がもらえる」
普通のバラエティならチープすぎるゲームだけど、これもエグい絵になってた。
外野から茶化してもルール違反じゃないけど、そこでカイジモノマネ芸人、躊躇!
集団生活を共にしての仲間意識か、反感を買うことで今後の仕事やゲーム進行に影響がでることを恐れたか、躊躇!


その後の生活が、どうなっていくかはわからない。
そもそも億単位の借金の人はどうすんだ問題もあったけど、これで知名度を上げたことが何かにつながるかもしれない。

序盤で脱落した借金芸人の岡野さんは、正月番組「レッドカーペット」で活躍して本業の笑いで成功をおさめた。
はずが、アキラ100%の失敗に全部話題をさらわれた。
「あらびき団」でもパチンコで負けたおじさんの一人コント。
年末年始3つも番組に出て全部チャンスをつかみそこねて、全部つながってる。


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2017年を振り返りつつカズノコを食う


毎年、年末にはベスト本やベストゲームをまとめる記事をやってるんですが、
忙しいのでサボッてしまいました。
2017年はルーチンワークをこなしながら、他のみんなが次々とプロデビューしたり執筆活動の場を広げているのを眺める、ちくちくストレスのたまる日々だった。
さっき久しぶりに家族で集まってカズノコ食ったら回復した気もするんですが、新しいことに興味をもてなかったのは、今思えばちょいウツの症状にも似てるのでゆっくり休もう。本人に全く自覚がなかったのが怖い。

ベスト本はこちら。ホーキング青山「考える障害者」
非作家の本に快作が多かったけど、一人だけ別格の刀鍛冶にもらった刀を振るってるような切れ味だった。



マンガでは吉本浩二「淋しいのはアンタだけじゃない」全3巻。
こんなどうしようもない気持ちにさせて終わりやがって!
これ話題にもなってないだと、じゃあもうダメだ!何かしらんがダメだ!




ベストゲームは、みんなニンテンドースイッチのソフトをあげてますが、持ってないので…
まだ発売して1年たってないことに衝撃です。
2年ほど前は、スマホにおされて据え置き機のゲームがなくなるんじゃないかって話してたんだけど、携帯ゲーム機がなくなりそうだ。VITA,3DS,さすがに次が想像できない。

今年は何があったっけ…NEWみんゴルとかかなあ。
「ザ・サージ」はSF版ダークソウルのような作風で、最初のボスであきらめてしまいそう。



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